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更新日:2024年1月15日

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卒業式式辞

 三寒四温という言葉があります。厳しい寒さと、やわらかな温かさが繰り返しながら春になっていくという意味です。週のはじめから暖かい日がつづいています。今朝は、やや寒さが戻ってきましたが、各地では早咲きの河津桜が見ごろを迎えているとの便りが届いています。

 令和4年度第42回卒業証書授与式を挙行するにあたり、多くの保護者の皆さまにご参加いただくことができました。思えば新型コロナウィルスによる休校からスタートした高校生活。授業や部活動、学校行事が常にコロナとの闘いでした。そこにもようやく春の兆しがみえています。

 卒業生の保護者の皆さま、担任の呼名に凛として立つ我が子の姿に、感慨もひとしおかと存じます。心よりお慶び申し上げます。これまで、本校のために多大なご支援、ご協力を賜りましたことに、全教職員になり代わりまして、改めて厚くお礼申し上げます。

 42期生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの門出にあたり、私からはなむけの言葉を贈りたいと思います。式次第に印刷した「お祝いのことば」を見てください。保護者の皆さまもどうぞご一緒にご覧ください。

【第1段落】

今日は特別な日です。古来日本では、特別な日(祭りや儀式、冠婚葬祭)をハレの日という言葉で表してきました。ハレの日に対して日常のことを「ケ」といいます。そこに書いた通り、日常の努力があり、苦労があってはじめて「ハレ」の日を迎えることができたのです。もちろん日常には、苦労ばかりではなく楽しい事やうれしい事もあったでしょうし、穏やかな日々もあったと思います。しかし、苦しいこと、歯を食いしばって頑張らなければいけなかったこと、これを乗り越えてこそ、人間は成長します。「その苦労が今日を迎えることができた最大の要素」とは、そういう意味です。みなさんはその苦労をすべて乗り越えて成長した今があります。

【第2段落】

 そして、みなさんの日常には一緒に歩んだ仲間がいたでしょう。支えてくれた家族も。仲間と一緒だったから苦難を乗り越えることができたし、家族の支えがあったから頑張れたんですよね。

 苦しいこと、歯を食いしばって頑張らなければいけないことを乗り越えてこそ成長があると言いました。ひとりで頑張れることには限界があります。でも仲間と協働すれば、それは簡単に超えられるし、もっと大きな限界を超えることができます。

【第3段落】

 高校生活というドラマは今日で終わりです。明日からは新しいドラマが始まります。主人公は皆さん自身。どんなときも自分を信じて、輝いていてください。

【ネタばらし】

 さて、皆さん。式次第に印刷された学校長のお祝いの言葉ですが、これを読んでどのように感じましたか?コンパクトにまとまっているけれど、ありきたりな文章で、心に響く文章とまではいえないと私は思います。

 実はこの文章、CHAT GPTというAIに「海老名高校の卒業式の校長の言葉を考えて」と入力した結果、出てきたものなんです。

 AIと聞いてどう思いましたか?私の感想はさっき言った通りですが、AIはこれからもっと進化していくでしょうから、10年後には会場のだれもが感動する祝辞が出てくるかもしれませんね。

私が祝辞を考える時、自分のこれまでの経験(誰かから聞いた言葉、どこかで読んだ文章など)から、それらの言葉を組み合わせて、自分が一番伝えたいことがより伝わるように、聞いた人の心に少しでも残るように書いています。AIがやっていることも同じで、膨大な文例の中から適当と思われる文章を組み合わせているのだと思います。AIの経験値があがれば、より適切な文章が選択され、感動を呼ぶ組み合わせになっていくかもしれません。

つまり、○年後には私が祝辞を考える必要はなくなってしまう、ということです。(今回もネタばらししなければ、おそらく誰もおかしいとは思わなかったでしょう。)

みなさんが大学を卒業して社会に出るのは4年後か、5年後か。今までみなさんは、様々な場面で「人間の仕事の多くがAIにとって代わられるから、AIができないことをやりなさい」と言われてきたはずです。今のAIはここまでできる。思ったよりもその時は近づいている。ということなんです。

【メッセージ】

私はこれまで、全校集会の中でみなさんに、自分自身の判断で人生の選択していってほしいということを話してきました。そして今日皆さんに伝えたいのは「どのような基準で選択するか、何を根拠に選択するか」ということ。

「人間の仕事の多くがAIにとって代わられるから、AIができないことをやりなさい」と言われてきた皆さんは「自分がどんな職業に就くか」を選択するとき、「AIができないこと」を基準に職業を選ぶかもしれませんね。しかしその基準は本当に正しいのでしょうか。いや、あなたはその基準で本当にいいのでしょうか。

よく考えてほしい。

もし「自分が本当にやりたいこと」が「AIでもできること」だったら、それをあきらめるのでしょうか。

AIができそうもないこと(今のところは)の中から職業選択をしますか?

 私は「自分がやりたいという気持ちを優先しろ」と言いたいわけではありません。ただ、みなさんが呪文のようにいわれてきた「AIができないことを・・」というフレーズを鵜呑みにせずに考えてほしいということです。

では、ここから先は皆さん自身が考えてください。自分にとっての最適解を導き出すために、大学や専門学校でしっかり勉強しましょう。

そして、よりよき人生を、幸せな人生を歩んでいってください。

結びに、私からもAIと同じこの言葉を送りたいと思いますが、私はまだAIにとってかわられてしまうのは悔しいので、「未来はあなた次第です」という文の冒頭に「(ホニャララの)」を付け加えます。

みなさんは(ホニャララ)に何を入れますか?

(あなたの)ですか。

(日本の)ですか。

(世界の)ですか。

「(〇〇の)未来はあなた次第です」

本当に卒業おめでとう。