ひとこまコラム バックナンバー
お菓子の結ぶ縁 2012/07/02更新 【チームやまゆり #1】
『バター、オイルなしでもこんなにおいしいふとらないパン 』 茨木 くみ子 文化出版局 (2006/04発行) |
新入生オリエンテーションで生徒たちが始めて本校図書館に足を踏み入れるとたいがい「わー」「きゃー」「なんでこんな本あるの〜?」といった歓声があがる。「なんでこんな」といわれる本のジャンルはいろいろだけど、そのなかの一つに料理やお菓子作りの本がある。
「なんで」って言われてもさ〜司書として当然、需要のある本は用意していますよ。だって家庭科の献立作成から文化祭模擬店のメニュー決め、バレンタインデーの「友チョコ」交換…と料理やお菓子の本は年中大活躍だから。
最近はお菓子作りが趣味の男子も珍しくなくて「試食して」と図書館にケーキを持ってきてくれることもある。もちろん、おいしくいただきますよ。他の女子と一緒にね。
忙しくて校内を走り回っているときもあるけれど、そんなふうに図書準備室でお菓子を囲みながら生徒と話をするのも楽しい仕事のひとときだ。部活の話、受験の話、もちろん面白い本の話も忘れたくない。
この「ふとらないお菓子」シリーズはタイトルに「ふとらない」と入っているせいか、本校の図書館でも定番のレシピ本。
ずいぶん前、熱心に料理やお菓子の本を借りている生徒がいたので「将来は食品関係に進むの?」と聞いたら「借りて帰ると、お母さんが作ってくれるんだ!」との返事。
保護者とのこういった間接的交流も、また学校図書館の「味わい」のひとつかな。
<土門 郁子>