ひとこまコラム バックナンバー

おめでとうございます。 2013/2/25更新 【チームやまゆり #8】

『少女は卒業しない』 『少女は卒業しない』
朝井リョウ【著】
集英社
(2012/03 出版)

 本校では年度初め、国語の時間を頂いて新入生対象に図書館オリエンテーションを行います。今年度、そこで紹介したのがこの本です。理由は本校が表紙の背景を飾っているからです!研究会に表紙写真の撮影協力のお話があって本校が選ばれ、撮影が実現しました。
 お話は廃校が決まった高校、少女たちの卒業式の日のエピソードが7つ、各章に他の章の人物が絶妙に見え隠れしつつ時系列に並んでいます。
 表紙はよく見ないと本校とは分かりませんが、章扉の写真も、実はそれぞれの内容に即した校内の各所で撮られています。屋上の写真に、「入ったことない…」とうらやましそうな生徒。体育館での撮影は居合わせた生徒の力を借りました。演壇の移動を手伝ってくれた生徒は、後でちゃっかりスタッフさんたちと写真を撮っていました。ボールを貸してくれたバスケ部の生徒は、図書館のカウンターに飾ってある本を手にとって、「このボール、俺が貸した!」と自慢(?)しています。
 お陰で出版前のパイロット版を読めるという恩恵にも浴しました。感想を寄せてくれた生徒がその際、語った言葉も印象深かったです。「お昼を食べないで続きを読んでいたかったほど面白かった」「軽音楽部、生徒会と自分自身と重なり、一話ごとに泣きそうになった」etc。
 折りしも、作者の朝井リョウさんが『何者』で直木賞を受賞されたというニュースが入ってきて、わがことのように喜んでいます。おめでとうございます!

<沖田 香織>
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