ひとこまコラム バックナンバー
みなさま、カラスはお好きですか? 2013/8/29更新 【チームひつじさん #14】
『カラスの教科書』
松原始【著】 雷鳥社 (2013/01出版) |
今年の4月に新刊として購入し、特に派手な宣伝などしていないのに、何度も借りられ続けている本があります。それが、この本です。
本の厚さは約4cm。分厚い部類に入ります。我が校にはカラス好きが多いのかな?といえば、そうではないでしょう。
素朴で味のあるカラスの絵。思わず手に取りたくなります。表紙をオモテにして本を紹介されると、ついつい手にとってしまうのではないでしょうか。
そして、「カラスに燃え、カラスに萌えるカラス馬鹿一代(著者自身のプロフィールより)」による愛情あふれたカラス解説や、所々で描かれる愛らしいカラスのしぐさや口調にも著者のユーモアが光ります。
カラスは、鳥にしては大きな体であるにも関わらず、身を隠すのが上手だそうです。でも面白いのは、顔だけ隠して安心している例が時々あること。隠れた(と思った)後、そーっと顔を出して周りを見たら、まだ人間がいてビックリ!なんていう様子は、なんとも可愛らしいです。
私は当初、どちらかというと「カラスは怖い」という印象を持っていました。でも、この本を読んで一転。今では、街中に「ハシブトとハシボソ」という2種類のカラスがいることを知り、「このカラスはどっちだ?」と私もカラス探しをするまでになりました。
本書の冒頭には、カラスを知らない人には「教科書」として、カラスのあーあるある!を楽しむためには「強化書」として、カラスはカワイイかもと思ってしまった人には「教化書(私はコレかも)」として、そして、カラス好きがカラスのことを書き連ねた戯れ歌のようなもので「狂歌書」として読んでください、と書かれています。
本当にその通り。人それぞれに、新しい世界観ならぬカラス観が得られます。
ただのカラス本とあなどるなかれ。どんどんページがめくれる楽しいカラス本です。