ひとこまコラム バックナンバー
親近感 2013/8/29更新 【チームつながる輪〜 #14】
『何者』 朝井リョウ【著】 新潮社 (2012/11 出版) |
お昼の報道番組で朝井リョウさんがインタビューを受けているのを観た。ときどきジョークを交えながら、笑顔で話す、気さくな方だった。
「新しい時代がきたかな。」と私は興味をもった。小説家にもさまざまな方がいらっしゃるとは思うが、私がそれまで観た小説家の"小説家っぽさ"が、そのときの朝井さんには感じられなかったのである。親近感がわいた。もうひとつ朝井さんに興味をもった理由を言うとしたら、私は朝井さんと同い年であること。
このようなことがあり、何ヶ月かして、本校の図書館に『何者』が入った。早速読んでみた。
同い年であるからか、私の大学時代に周りで起きていたようなことがそのまま書かれていた。よく、「本は、現実では体験できないようなことを体験させてくれる」とか「本では別世界に行くことができる」とかいわれているけれど、私にとってこの本は、自分が経験したことを客観的に分析してくれる、面白い本だった。こういう本の楽しみ方もあるのだなと思った。
私は一般企業への就職活動はしていないけれど、まさに身近なところで"現代型の就活"をみてきた。不況がどうだとか、facebookやtwitterがどうだとかではなく、そんな社会環境のなかで、就活生はどのような想いで、どのようにして「自分」を追求していったかを知ってほしいと思う。これから就活をする年齢の人よりも、是非、年上の人に読んでいただきたいと思う。
<九渡 愛美>