ひとこまコラム バックナンバー

未来と将来2013/8/29更新 【チームやまゆり #14】

『ゆきとどいた生活』 『ゆきとどいた生活』
星 新一【著】
理論社
(2008/12出版)

 先日、星新一の未発表原稿が発見されたというニュースが報じられました。
 星新一といえば、sf作品でなおかつ短編の作品が多いため、特に本を普段あまり読まない生徒にも根強い人気を誇っています。
 わが校では読書感想画を美術の授業で取り入れており、一人一冊図書室の本を選んで読み、その感想を絵に表わします。その授業の際、この『ゆきとどいた生活』をはじめとする星新一作品は一瞬にしてなくなってしまうほどの人気ぶりなのです。
 しかしながら、その作品の捉え方は様々です。
 現実にはありえないと思う子や、中には近い将来、起こりうることもあるのではないかと思う子もいるようです。
 時代が進むにつれ、技術が進歩し、作品が書かれた時代には奇妙で滑稽だったことが、徐々に自分たちの日常を著しているように感じます。
 いずれ、この作品たちもsfと呼ばれなくなる日が来るのかもしれません。
 わたしたちの生活はすでに電子機器がなくてはならないものになっています。
 しかし、これからは特に、ボタン一つで情報を得るメディアだけではなく、時間をかけてめくる本の大切さを生徒にも伝えていかなければならないと切に感じます。

<田代 果>
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