ひとこまコラム バックナンバー

廃墟ってアートだ!  2013/10/30更新  【チームやまゆり #16】

『廃墟ディスカバリー』 『廃墟ディスカバリー』
小林 哲朗【著】
アスペクト
(2008/10出版)

 初めて「廃墟」の本について聞かれたのは、数年前のこと。デザイン科の女子生徒からの問い合わせでした。 デザイン科は、どんなことでも課題の素材になるので、多種多様の資料を揃えるように心がけていますが、当時は「廃墟」についての知識が欠落していました。 とっさに思いついたのが、戦後の焼け野原。昭和時代の写真集などを見せましたが、「違う」と。
 その後、「廃墟」について検索し、『廃墟ディスカバリー』という写真集の存在を知りました。 ふむふむ、なるほど、こんな世界があったのですね。そこには、戦後の焼け野原とはまったく違う「廃墟」がありました。ああ、勘違い。 自分の知識のなさに反省。早速購入し、生徒に見せると、喜んでもらえた模様。
 なぜかデザイン科女子生徒に大人気。特に宣伝もしていないのに、学年を問わず、次から次へと借りられています。 デザイン科の図書委員は、「異質で幻想的な美しい世界を見てみませんか?」というコメントを添えたポップまで作ってくれました。 授業を担当する国語科の先生は、生徒から噂を聞いたとのことで、おもしろがって借りてくれました。
  少女たちの心をとらえて離さない「廃墟」。そして、今日の昼休みにも聞かれました。
  「廃墟の写真がいっぱい載っている本はありますか?」

<荒川 みどり>
バックナンバーに戻る