ひとこまコラム バックナンバー
職員室からお薦め! 2013/11/25更新 【チームつながる輪〜 #17】
『下町ロケット』
池井戸 潤【著】 小学館 (2010/11 出版) |
職員室で図書を置くスペースとして小さなロッカーをもらいました。
置き場所については、管理職の机の後ろや奥の食事スペースなど、いくつか候補があったのですが、何と一等地!
中央の連絡黒板前をゲット!!場所が場所なので教育関係の本を多めに置きますが、上に花柄の布を敷き、話題の本も忘れずに平置き。
「職員室分館」と名付けて使っています。ここに置いてから、本を借りる職員が増えてとても嬉しいです。
内容は良いのに、生徒がいまひとつ手に取ってくれないなという本を置いて、教員に読んでもらい、図書館に来ない生徒にも宣伝してもらおうと期待しています。
「先生が薦める本」の威力は大きいですよね。
池井戸潤の作品は、そんな「職員室分館」の常連です。『下町ロケット』の主人公は、研究失敗の責任を取り、宇宙工学研究の道を諦め、東京下町にある実家の製作所を継ぎますが、大企業に振り回され、窮地に陥ります。
特許を譲るよう迫る大企業、特許を売って利益を還元して欲しいと訴える社員。
そこで屈せず夢を諦めない主人公の行動にハラハラしながら読み進め、最後にスカッとするところは、「半沢直樹」に通じますね。
周りを気にして無難に生きるより、自分が本当にやりたいことを諦めずにやり遂げる素晴らしさ。ぜひ、生徒に読んでもらいたい小説です。
<大山 知子>