ひとこまコラム バックナンバー

みんな班長だった  2013/12/20更新 【チームつながる輪〜 #18】

『かさねちゃんにきいてみな』 『かさねちゃんにきいてみな』
有沢 佳映【著】
講談社(出版)
(2013/05出版)

 小5男子の孝行(ユッキー)は人生に絶望している。来年は問題児ばかりの登校班の班長になるから。 (今年の班長は6年生のかさねちゃんだ。)ユッキーの日記?で物語は進んでいく。 小学生には書けない漢字、でも意味はだいたいわかって使ってるよ〜っていう言葉はカタカナで書いてある。 (シャザイとかゲコクジョウ!!とか)『登校班の班長の決め方は「年こうじょ列」で「女そん男ひ」だ。』って書いてあるので、朝の小学生の登校風景を眺めると、 確かにそんな感じがする。アハハ。そんなユッキーの南雲町二班と一緒に通学路を歩いてゆく。同じ小学生でも1年生と6年生は全然違う。 平均身長だって30センチ位差がある。子供たちは大きくなるということを実によくわかっている。 『もう頭なででもらったり、だっこしてもらうには大きくなりすぎちゃった。もう自分でどうにかするしかない。 かわいそうな時でも自分でがんばるしかない。』
 今、目の前にいる生徒たちも、いろいろ気の毒なことがあっても頭なでであげるには大きすぎる…。 でもでも、結構ツライことあるよね。それが大人になるってことなのか…。 いつまでもかさねちゃんについて歩きたいけれど、大きくなりすぎた高校生も、そして私も、小さな班長として通学路を歩き始めたあの日から、 自分でがんばるしかない大人になってゆくのだ。

<高橋 ひろ子>
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