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せっかく苦手克服したと思ったのに… 2014/5/28更新  【チームひつじさん #23】

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 1〜4』
太田紫織【著】
KADOKAWA(角川文庫)
(2013/02〜 )

 私は学校司書なのにライトノベルズが苦手だ。嫌いなわけではない。苦手なだけである。だからと言って職業上、避けてばかりいるわけにもいかずラノベを研究テーマに選んで研究してみたりもした。ラノベを読むのが宿題なんて、ラノベ好きの生徒にとっては夢のような日々を過ごしつつもなかなか成果があがらなかった。このままでは利用者のニーズに寄り添うことを重視する学校図書館としては恥ずかしいことになってしまう。
 悩んだ末に聞いてみた!「ラノベの魅力って何?」
 「面白いじゃん」「読みやすいじゃん」「イラストが好きだからじゃん」
 …どれも私には当てはまらなかった。諦めるしかないのか…と思った時、1冊の本との出会いがあった。
 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』
 平凡な男子高校生が三度の飯より骨が好きな美人お嬢様に振り回されて事件の謎を解くという現実離れした設定は、まさにラノベ♪
 なんとなく読んでみた。「面白いじゃん!」 あっという間にシリーズを読破。
 「司書さんが楽しそうにラノベを読んでるなんて珍しいね〜」と生徒が声をかけてきた。そう!とても珍しい光景なのだ。苦手科目を克服した気分の私にその生徒は続けた。「厳密に言えば、それラノベじゃないけどね」
 え?そうなの?じゃあ何?
 確かに裏表紙には「ライトミステリ」と書いてあったが、違うカテゴリーなの?
 だとしたら、やっぱりまだ私はラノベが苦手なままだ。ラノベ恐るべし。

<井上 晴子>
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