ひとこまコラム バックナンバー
おぼえちゃ王 2014/07/25更新 【チームつながる輪〜 #25】
『おぼえちゃ王 てんじ手作り絵本』 金子 修【文】 ちふゆ【絵】 桜雲会 (2005/03出版) |
4月から盲学校に勤務しています。
図書館の書架には、音声図書(デイジー)、点字図書、拡大図書、墨字図書(見える人が読む本)が並び、書架や本に点字の表示がつけられています。
点字の基本を知るための簡単で楽しそうな本はないかな?と、探してみたら、『てんじ手作り絵本 おぼえちゃ王』という本がありました。「アイウエ オーサマ オオキナ オナカ」などのやさしい文章で、点字と墨字が両方書いてあります。点字に触れながら(触れても読みとれないのですが、プツプツとしていて触りたくなるのです)、目で覚えて、少しずつ読み進めました。気がつくと、新しい文字を覚えたての小学1年生のように、声に出してゆっくり読んでしまっています。
−2ヶ月経過−
ある暑い日の昼休み、当番の委員(中3と高2)と、図書館北側の窓辺で涼んでいた時、そばにある点字本を手に取った私は、つい読み出してしまいました。
「100まんねんも しなない ねこが いました。・・・とらねこでした。・・・ねこは 1かいも なきませんでした。」とつっかえ読みする横で、「ふーん」とか「いつ読み終わるんだろうね」とか「だって死んでるんでしょ?そりゃ泣けないよ」と、つきあって聞いていてくれる委員たち。1ページ読み終えて私が「おしまい」と言うと、「えっ!おしまい!?」と驚くので、「今日はおしまい。続けて読んで途中でチャイムが鳴ったら残念だからね。」と言うと「そうだね。」と、やさしい。
ちょっと冒険してしまいましたが、少しでもスムーズに読めるようになって、点字を使う生徒さんと本探しや調べものができるようになりたいものです。先は遠いけど。
<池上 みちる>