ひとこまコラム バックナンバー

本と人、人と人をつなげたい  2015/09/30更新  【チームつながる輪〜 #39】

『彩雲国物語』(角川ビーンズ文庫) 『彩雲国物語』(角川ビーンズ文庫)
雪乃紗衣【著】
株式会社KADOKAWA
(2003/11〜)

 ある日、高校生が「先生、『彩雲国物語』の続きを買って!」とリクエスト用紙を持ってきました。人気の高い作品にも関わらず、続きがなかったことに気づいていなかったので、慌てて注文しました。すると、2、3日後、「先生、『彩雲国物語』の続きがないんだけど」との声が。今度は中学生からのリクエストでした。どうやら二人は、ほぼ同時に読み進めていたようです。「実は、高校生からもリクエストがあって注文中だよ」と答えると、「今、読んでいる人がいるんだね!」と嬉しそうにしていました。
 夏休みに入るぎりぎりで届いた注文分を、たまたまやってきた高校生に渡しました。中学生が同じようにリクエストして、待っていると伝えると「これ、おもしろいよね!早く回してあげなくちゃ!」と笑顔で答えてくれました。
 なんだかんだすれ違い、出会えていない二人。せっかくなら何かの機会でつなげてあげたいなぁ……と悩む日々です。
 『彩雲国物語』は、官吏になりたい女の子・秀麗が、努力を重ねやがて官吏として認められていく物語です。ファンタジーでありながら、政治的な面もしっかり描かれているので、リアリティも抜群。奮闘する秀麗の姿に共感すること間違いなし!
     

<森 美里>
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