ひとこまコラム バックナンバー

"長い"ではなく"深い"長編  2016/06/27更新  【チームやまゆり #48】

『フューチャーウォーカー』

『フューチャーウォーカー 全7巻』
イヨンド【作】 ホンカズミ【訳】
金田榮路【絵】
岩崎書店
(2010年〜2012年 発売)

 新着コーナーに並べていたところ、ふらっと立ち寄った生徒が二度見しました。「これずっと探してたんですよー!どこに行ってもなくて……。」なんて、とても嬉しい言葉とともに借りていってくれた小説です。
 長編ファンタジー『ドラゴンラージャ』のその後を描いたシリーズです。『ドラゴンラージャ』は、私自身が高校生の頃、司書さんにお願いして図書館に入れていただいた作品でもありました。王族や魔法使い、盗賊といった様々な身分の人間の他にも、エルフやドワーフ、オークなど多種多様なキャラクターが登場します。次々と展開される冒険譚の一方で、各種族の倫理観や信条の違いも細かく設定されていて、これは他のファンタジーと一味違うぞ、という印象が強く残っています。
 新シリーズが出ていると知ったのは、自分が司書という立場になってからでした。自分の頃と違ってファンタジーブームも落ち着いてしまったし、読む生徒はいるだろうか……と若干不安に思いつつも、前シリーズは置いてあるのだし、と思い切って入れてみたら、大当たり!冒頭の通りです。
 「この本もあるんだ!」と一人でも多くの生徒が宝探しを楽しめる、そんな図書館って素敵だなぁと思います。

<古川 翔子>
バックナンバーに戻る