ひとこまコラム バックナンバー
マンガからラノベへ 2017/01/25更新 【チームつながる輪〜 #55】
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(ガガガ文庫) 渡 航【著】 小学館 (2011/03〜) *2017年1月現在の最新刊は 11巻(2015/06発売) |
「もう読むマンガないんだけど」
ある生徒にこう言われた。毎年すごい速さでマンガを読破していく生徒はいるのですが、この子もそういうタイプでした。アニメも見るが、ライトノベルは読んだことがないらしい。良い機会だと思い、この本を薦めたところ、アニメ化されていたのは見たとのことで、原作なら続きを読めるという誘い文句で借りていってくれました。
そして後日、図書館にはラノベを読み漁る彼の姿が……!
この小説、アニメによる認知度が高く、小説に慣れてなくても最後まで読める生徒も多いので、上の例のように良いライトノベルへの入口となっています。
主人公は、将来の夢が「働かないこと」、青春を謳歌しているクラスメイトを「欺瞞だ。」といい敬遠する、いわゆる「高二病」な男子。この主人公の人気がとにかく高い、図書館常連たちもみんな主人公好きらしく、結構な頻度で主人公についての会話をしているのをみかけます。ヒロインはどうでもいいのかと思いつつ、こういうのが図書館常連の子たちには感情移入しやすい主人公なのだなと感じました。
主人公がサボりの罰として入れられた「奉仕部」で美少女と出会い、生徒の相談に乗っていくなかで、様々な人間関係が展開されるこの話。会話のテンポがよく、キャラに魅力(というか癖)があって、とても読みやすい一冊です。
<日比野 悠志>