ひとこまコラム バックナンバー
芥川龍之介もびっくり!蜘蛛の糸 2017/02/24更新 【チームやまゆり #56】
『タイムボックス』 アンドリ・スナイル・マグナソン【著】 野沢 佳織【訳】 NHK出版 (2016/10発売) |
この本を図書館に入れようと思ったのは、「外国の小説は苦手だ」と言う生徒のことばに刺激されたからです。
本校の図書館は、海外文学の本が、日本の小説に比べて少なく、ドイツ、フランス、アメリカ合衆国の小説は何冊かありますが、アイスランドの本は一冊もありませんでした。生徒がよく知らない国、アイスランドの物語を紹介し、興味を持ってもらえたらと思いました。
『タイムボックス』は、蜘蛛の糸で作られた魔法の箱に眠るパンゲア国の王女と、箱を開けて王女を目覚めさせた少年とのラヴロマンスを縦軸に、アイスランドの気候や経済状況を横軸にした、長編ファンタジー児童文学です。
読んでいると、「シンデレラ」「白雪姫と7人のこびと」エンデの「モモ」の話がよみがえってきますし、"二月はもういらない"などのスローガンから、寒くて暗い日が多いアイスランドの2月を思い描くことができます。そして、"この経済危機にじっと耐えつづけるなんて"と不平ばかりのオトナたちにうんざりした子どもたち、オトナを目覚めさせていく子どもたちの活躍が活き活きと伝わってきます。
とにかくおもしろい!!です。
是非一度お手に取って読んでみては、いかがでしょうか。
<八木 静子>