ひとこまコラムリターンズ 第14走者

難しくも楽しい読書相談   2019/10/24更新 

『あの頃、君を追いかけた』


『あの頃、君を追いかけた』
      (講談社文庫)

九把刀【著】阿井幸作【訳】
泉京鹿【訳】講談社
(2018/08)

 「司書さんのオススメ、おしえてくださ〜い」
 学校司書として、このように聞かれるのは嬉しいし、期待に応えたい。でも、私はこの言葉がちょっぴり苦手でした。"司書さんの"と言われるのが、また難しいのです。
 そんなときに出会ったのが『あの頃、君を追いかけた』。勉強嫌いの主人公が優等生で可愛いけどクールなヒロインに恋する台湾発の青春小説です。去年、日本版の映画化にあわせて購入したところ、たまたま授業利用で来ていた高2女子に薦められました。
 「私これ読んだー面白かったよー」「おっ普段、本読むの…?」
 図書館では見かけたことのない生徒からの思いがけない言葉にちょっと驚きつつ、早速読んでみると…あ、これは面白い!翻訳本のため名前を覚えるのが大変という難点も気にならないほど、私的ヒット作でした。
 「これ良かった!片思い……おバカで切なくて、きゅんきゅん!」「でしょ!!」
 次の授業利用時には本の感想で大盛り上がり。次なるオススメ本も教えてもらいました。
 それ以来、"司書さんの"オススメを聞かれた時は、この本も混ぜて紹介しています。その後、少なくとも2人はこの本をきっかけに図書館のリピーターになってくれました。
 司書の面白いと生徒の面白いは違います。だからこそ、生徒のつぶやきを逃さず、私自身の引き出しを増やしていきたい!楽しい勉強の日々は、続きます。


<松崎>
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