ひとこまコラムリターンズ 第15走者
失敗してもいいかも?
2019/11/29更新
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4月から高校の図書館に勤めだして6ヶ月になりますが、選書はいまだに悩んでばかりいます。
最初の頃は「これ面白いかも」や「こんなジャンルに興味を持ってほしい」とか自分の考えだけで選書していました。あまり手に取ってもらえず、つまづいた気持ちになりました。本来なら、もっと生徒が何に興味があるのか、どんな本を普段読んでいるのかを知らなければいけなかったなと反省しています。
悩んでばかりいるからでしょうか。最近は常連の生徒が借りていった本や手に取った本を記憶して「これなら読むかな?」と考えて選書した本が貸出されると嬉しいです。
この前もお昼休みの時間に、選書した書籍にカバー掛けをしていたら、カウンター当番に来た図書委員が一冊の本を手に取り「これ借りたい」と言ってくれました。慌ててその場で貸出処理をして、放課後までにカバーを掛けておくことを伝えて、改めて取りに来てもらいました。
その本は『失敗図鑑:すごい人ほどダメだった!』です。偉人の失敗談や小さな失敗の治し方などが掲載されています。借りていった図書委員は以前も文豪のエピソードが掲載された本を読んでいたので、もしかしたらと思って購入しました。まさか、こんなに早く借りてくれるとは! 悩んでよかったと感じました。
先日は授業利用で来室した生徒と話していたら「この図書館にある本、全部何処に何があるのか知っているの?」と聞かれました。思わず「そこまで万能じゃない……まだ6ヶ月だし」と本当のことを言ってしまいましたが、その生徒には私がそういう司書に見えたのかな?と考えると、とても嬉しく感じました。また、そうなれるよう努力したいと思う今日この頃です。