ひとこまコラムリターンズ 第34走者
創造的!読書
2021/06/28更新
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「演劇についての本はありますか?」と尋ねてきた生徒。詳しく話をきいてみると、文芸部に所属する彼女は、次の部誌に載せる作品を書くために、若手俳優たちの苦悩や衝突を描いた本を探しているとのこと。そこで紹介したのが、『俳優探偵』。2.5次元舞台に出演する若者たちの間で起きる事件を紐解くミステリー小説ですが、メインで描かれるのは彼らの葛藤やぶつかり合い。アニメや舞台をよく見ているその生徒の好みにも合うだろうと思いました。
後日、本を返しに来たとき、「登場人物の心情の部分は『俳優探偵』を参考にしたけど、文体は並行して読んでいた他の小説に寄りました」と話していました。本で得たものをもとに、生徒が新たな作品を生み出す様子を見て、やはり図書館は「創造」の土壌であり、司書としてこれからもそのサポートをしていきたいと感じました。
ちなみに、発行された部誌をこそっと読んでみました。次回に続くような終わり方だったのですが、「あれっ?もう部活は引退?あぁ、卒業もしてしまう…」とあっという間に時が過ぎ、結局続きはわからずじまいでした。気になるなぁ…。
<いちむら>