ひとこまコラムリターンズ 第35走者

高校生センサーの感度   2021/07/28更新 

『けっこんしき』


『けっこんしき』
鈴木のりたけ【著】
ブロンズ新社
(2017/11)

 下側左半分が扇形にえぐれている、あきらかにふつうの本に見えない形状の表紙がインパクト。「おでこはめえほん」のシリーズになっている児童向け絵本です。
 ページを広げれば、さまざまなキャラクターの、かつら状の頭だけが登場。おでこにはめれば、あなたの変身願望をしっかり叶えてくれます。おでこサイズは児童向けなので、高校生ではたいていはまりはしませんが、見つけると途端に、頭に載せたり額の前に当てて面白がり、童心に戻る生徒が続出します(戻っているだけ、だよね)。
 閲覧室入口すぐにある絵本棚に目立つように飾ってはいますが、自分のセンサーに感じ取って、見つけた生徒はすぐにさわりだし、子どもの時になかったけれど、利用法を確認せず作者の意図通りに遊びだします。
 借りていくタイプではないけれど、近年受入れて反応が大きかった人気絵本です。
 隣に置かれている人気ポップアップしかけ絵本には、興味は持っても静かに反応、とすると、こちらは、よりテンションを上げて動的な反応です。本は読まない派ばかりの学校ですが、この本へは、何かを感じて、見つけ出せる生徒もいます。
 本校では、図書館で絵本を活用する授業があり、これらに対応して充実してきた絵本コーナーでの風景断片です。
 絵本は、高校生世代でもなつかしいものでもあり、読んだ共通体験を持っている資料の一つです。

<宮ア 聡>
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