ひとこまコラムリターンズ 第51走者
手作りしてみませんか
2022/12/02更新
『羊皮紙の世界 薄皮が秘める分厚い歴史と物語』 八木健治【著】 岩波書店 (2022/08) |
羊皮紙とは紙が発明される前に文字を書き記すために使われていた動物の皮をなめしたもののこと。
写真で見たことはあるという人はいますか? 実物を触ってみたことがある人は? おそらくいないでしょうね。この本には付録として本物のサンプルがついています。小さいですが、触ってみてください。紙とは違う手触りを実感してください。
羊皮紙にまつわる歴史やいろいろな知識が多くの写真とともに載っていてたいへん興味深い本です。どのようにつくられたのか、書き記すために使われたインクやペンはどんなものか、いつごろまでそしてどんな場合に使われていたのかなど。
そして、コラムとして載っているのが、"作ってみよう!おうちでヴェラム(牛皮紙)" 。実際に手作りしてみようという企画ですが、なんと作るのに使うのは"犬ガム"! 犬ガムは牛皮が原料なのでそれを伸ばして乾かすと羊皮紙ならぬ牛皮紙ができるのだそうです。工程も難しいことはなさそうです。これはぜひ図書委員とやってみたい! と勢い込んで図書委員会で提案をしたのですが、今のところ参加したいという生徒があらわれず、どうやってアプローチするか考え中です。羊皮紙づくりが実現したらご報告したいものです。
写真は、執筆者がお試しで作成した「牛皮紙」です。
書かれている文字は、ギリシア語で Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩΣΕΙ ΥΜΑΣ ヘー アレーテイア エレウテローセイ ヒュマース。「真理がわれらを自由にする」という意味で、国立国会図書館の理念として刻まれている言葉です。
<ぢゅんこ>