ひとこまコラムリターンズ 第55走者
こんな本もあります。
2023/04/21更新
『ファンタジー配色アイデア事典』 桜井輝子【著】 橋賢亀【絵】 エクスナレッジ (2022/8) |
スマホを置いてどんな本なら手に取ってもらえるのだろうか?読書習慣のない生徒たちの気持ちに心を寄せて試行錯誤の日が続いています。
NIE(新聞を使った授業)の宿題をする友だちを待つ間、隣りでスラスラとノートに絵を描いている生徒をたびたび見かけるようになりました。話しかけてみると、顔を描くときバランスをとるために十字を書くのは必須であったり、ミニキャラは普通に描くより難しいなど、絵の描けない私に嬉しそうに教えてくれました。そこで絵を描くテクニックや作画、配色事典などの本を展示したところ、早速ページをめくって「借りまーす!」と。
その中の一冊『ファンタジー配色アイデア事典』は、普通の配色本と決定的に違うところがあります。「世界観を構築・創造するために圧倒的に役立つ」という点です。人が五感を通して受ける情報の8割は視覚から、さらに視覚情報の8割は色によるものだという説があります。絵を描く人にとって世界観設定は大事な要素のひとつであり、イメージした配色を見つけることができるという素敵な本なのです。
球技大会のプログラムの表紙を描くことになった生徒が、表現するのにとても参考になったと伝えてくれました。表紙はモノクロ印刷ですが、描くときのイメージは大きく膨らんでくれたことと思います。
読書に対するハードルが高いと思っている生徒に、難しい本や小説ばかりが本ではなく、こういった本もあるということを少しずつ伝えていけたらと思っています。
<いしむら>