ひとこまコラムリターンズ 第62走者
絵本は心の処方箋
2023/10/27更新
『これは本』 レイン・スミス【作】、青山南【訳】 BL出版(2011/4) |
絵本の読み聞かせをとおして子どもの発達と保育を学ぶ授業で、読み聞かせの実演と絵本を紹介する時間をいただきました。公共図書館で読み聞かせをしていた経験があるため選書に力が入ります。限られた時間の中で何を紹介するか迷いに迷った結果、初めて手にしたときに衝撃を受けた『これは本』を読むことにしました。本を知らないロバくんと本が大好きなサルくんとの、あっさりした会話をとおして本のよさが際立っていく感じ、パソコンを引き合いに出しているところが、今の高校生にも響くと思ったからです。併せて、意外性がありユーモア溢れる『3びきのかわいいオオカミ』*『うえきばちです』*、想像力が掻き立てられる絵が魅力的な『漂流物』*、心に響く『100万回生きたねこ』*などを紹介したところ、空き時間に読んでいる姿や読み聞かせをしている姿が見られたことが印象に残っています。
絵本コーナーで生徒達が読み聞かせをするための絵本を「この本知っている」「絵が好き」「おもしろい」と、それぞれの感性で選んでいました。中には「幼い頃に読み聞かせをしてもらった」と自宅から絵本を持参した生徒がいて、微笑ましく思いました。キラキラした目で聞き入る姿を見て、絵本はいくつになっても楽しめること、絵本の素晴らしさを改めて感じました。
これからも心癒やされるアイテムとして絵本をお勧めしていきたいと思います。
<こじま>
*『3びきのかわいいオオカミ』(ユージーン・トリビザス作、ヘレン・オクセンバリー絵、こだまともこ訳)冨山房*『うえきばちです』(川端誠)BL出版
*『漂流物』(ディヴィッド・ウィーズナー)BL出版
*『100万回生きたねこ』(佐野洋子)講談社