ひとこまコラムリターンズ 第83走者

図書館バトル!? 2025/09/01更新

『図説 世界を変えた100の文書』
『図説 世界を変えた100の文書』
  スコット・クリスチャンソン【著】
 創元社
 (2018.06)

 社会科のある先生が1学年生徒に向けて発行している『歴史新聞』がある。 図書館では、関連本を集めてコーナー展示をしている。
 新聞は、テーマも内容もなかなかマニアックで、「これは楽勝」と本を集められるときもあるが、たいていは悪戦苦闘。でも、この「見つからない!くやしい!あったー!」が、意外と楽しい。
 そこで、頼りになるのが、『図説 世界を変えた100の文書』。これまでに「レオナルド・ダ・ヴィンチ『手稿』」や「第一次世界大戦 アメリカ参戦の理由」といったテーマのときにこの本が大活躍した。
 関連の記述を読むたびに、先生が「すごくいいね!」と、興奮気味に声をかけてくださる1冊だ。こんなふうに、先生から「いいね!」をもらえると、内心ガッツポーズ。何となく「勝った!」気分になる。私はこれをひそかに『H先生との図書館バトル』と呼んでいる。
 ある日、そんなやり取りを見ていた1年生の常連が、「私たちもバトルしてみたい!」と言い出した。そして大胆にも社会科準備室まで押しかけ宣戦布告。「オスマン帝国とトルコ」というテーマに挑むことに。生徒たちは目を輝かせながら本を集め、ポスターを作り、立派なコーナーを作りあげた。
 先生に「いいね!」をもらい、彼女たちはバトル初戦に勝利した。



<ぽん>
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