藤沢清流高等学校 > 特色 > リーダーシップ教育について

更新日:2022年9月22日

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藤沢清流高校でのリーダーシップ教育について                                        

中学生のみなさんへ

藤沢清流高等学校
キャリア支援グループ

 

 

はじめに

 よく「リーダーシップを発揮する」という言い方をしたり聞いたりします。たとえば、「野球部のA君はキャプテンとして『リーダーシップ』を発揮し、チームの守備力を向上させることに貢献した」とか、「生徒会長のBさんは、文化祭の準備にあたり『リーダーシップ』を発揮し、それまでにはなかった新たな見方に基づく文化祭企画を立ち上げた」というように聞いたことがあると思います。

 藤沢清流高校の特色の一つに、「リーダーシップ教育に力が入れられていること」があります。それを聞いて、「あっ、私にはリーダーシップがないから無理かも」、「ぼくはどうせリーダーには向いていないから、藤沢清流は合わなさそうだな」と思う人がいるようですが、ちょっと待ってください。

 藤沢清流高校でいう「リーダーシップ」は、みなさんがイメージしているものとはまったく違うものです。藤沢清流での「リーダーシップ教育」がどのようなものであるか、よく読んでいただき、「なるほどそういうことなのか」と理解した上で、本校への志望について検討していただけたらと思います。

「リーダーシップ」を発揮する人って誰なのか?

 ところで、みなさん。「リーダーシップを発揮する」のは誰でしょうか。
 多くの人が、リーダー格の人だと答えます。学校で言えば、生徒会役員、学級委員(評議員)、委員会の委員長、部活動の部長(キャプテン)のことでしょう。学校以外でも、たとえば、国の大統領、会社の社長、プロ野球チームの監督、アイドルグループのリーダーらを挙げることができます。たしかに、この人たちは日頃から「リーダーシップ」を発揮していますね。実は、この人たちが発揮する「リーダーシップ」は、委員長、部長、大統領、社長、監督、リーダーなどという「地位・役職」があるから発揮できているものかもしれません。上に立つ者だからこそ与えられている「権限」があるために発揮できているとも言えます。また、何か特別な「カリスマ性」があるから発揮されているということもあるかもしれません。

 これまで、多くの人は、組織の中で上に立つ者が仲間をぐいぐいと引っ張るものを「リーダーシップ」と呼んできたのではないでしょうか。

新しい「リーダーシップ」の考え方

 ところが、藤沢清流高校で言っている「リーダーシップ」はそれだけではないのです。従来みなさんが考えてきた上の者がぐいぐい引っ張るものだけではなく、たとえば、「チームの仲間を助ける(支援する)」ようなことも、「リーダーシップを発揮する」と表現しています。

 私たちは、新しい考え方に立つ「リーダーシップ」を、これまでの「リーダーシップ」の考え方と区別するために、「21世紀型リーダーシップ」と呼びます。仲間を引っ張るだけが「リーダーシップ」ではない。たとえば、仲間を支えたり手を差し伸べたりするのも、重要な「リーダーシップ」の一つなのです。

 文化祭のクラス企画で責任者を務めるCさんは、クラスのリーダーであり、メンバーに様々な指示・伝達をしているので、「リーダーシップを発揮している」ことになりますが、同時に、特別な係のないD君は、Cさんが動きやすいように質問したりアイデアを提案したりすることで、クラス企画がよりよいものになるよう貢献しているので、彼も「リーダーシップを発揮している」ことになります。また、同様に、何かの係にはなっていないEさんも、教室の装飾では絵を描くのを引き受け、みんなと協力して、積極的に明るく楽しい会場づくりをしたというのであれば、これもまた「リーダーシップが発揮できた」と言えます。

 藤沢清流高校では、「誰もが発揮できる(発揮すべき)リーダーシップ」を学びます。チームの目標を達成させるために、様々なアイデアや意見を出したり積極的に行動したりすることによって、チームに貢献することがまさに「リーダーシップ」であるということを理解し、実践していきます。

 藤沢清流高校で「リーダーシップ教育に力が入れられている」と聞いて戸惑った人も、「あっ、それなら自分もできそう」って思えるのではないでしょうか。

藤沢清流で身に付けた「リーダーシップ」は将来も活用できる大きな武器になる

 藤沢清流高校では、2016年度以来、「21世紀型リーダーシップ」を入学してくるすべての生徒に身に付けてもらえるよう教育しています。この新しい考え方による「リーダーシップ」というのは、自然と身に付くものではなく、意識して努力しなければ習得できないものなのです。ですから、「学び、意識して身に付けようと努める」取組みが必要になります。

 藤沢清流高校では、2022年度からの新しい教育課程の中でも、1年次の「総合的な探究の時間」において、「21世紀型リーダーシップ」がどのようなものか知り、毎時間の学習活動を通じて、どのように一人ひとりが21世紀型の「リーダーシップ」を発揮するか学び、身に付けていけるようにします。そして、ここで学んだ「リーダーシップ」を他の科目の授業の中でも発揮し、活用します。

 たとえば、授業におけるグループワークで積極的に発言するだけでなく、疑問をつぶやくことですら、それがみんなの学びに繋がるなら、「リーダーシップを発揮した」と考えます。分からなくて困っている仲間を助けることももちろんですが、ときに困っていることがある際仲間に協力を求めることも「リーダーシップの発揮」と捉えることができます。(なぜ、そうなのかは入学後にお話ししましょう。)

 各科目の授業で発揮している「リーダーシップ」は、さらに、学級活動、学校行事、部活動等、また私生活(家族、友人関係、アルバイトなど)など様々な場面でも応用できるようにし、どんどん広げていきます。その積み重ねが、みなさん一人ひとりを大きく成長させ、高校卒業後の上級学校進学あるいは就職の場面でも必ず役立つものになります。

 「21世紀型リーダーシップ」は、実はアメリカ合衆国ではすでに1990年代に広がりはじめ、日本でも遅れてはいるものの、現在、特に外資系企業等でその考え方が浸透しています。藤沢清流で学ぶことにできる「21世紀型リーダーシップ」は、社会に出てからも大いに役立つものであり、自分自身に、驚くほど大きな自信を身に付けさせてくれるものとなりますので、ぜひ注目していただきたいと思います。

藤沢清流でしかできない学び

 「21世紀型リーダーシップ」を2年次以降も学び続けたい人のために、藤沢清流高校独自の選択科目として「リーダーシップ開発」を用意しています。これは、それまでに習得した様々な「リーダーシップ」のスキルを確認したうえで、企業との連携により「課題解決型学習(PBL)」を実践します。年度の後半には、生徒たちに企業から課題が提示され、その課題解決のための方法をチームごとに考え、クラス内で発表するというものです。2018年度は某アパレルメーカー、2019年度は吉野家ホールディングス、本年度は株式会社はなまるが支援してくださっています。

 このような「21世紀型リーダーシップ」による教育を学校全体で組織的に行っているのは、大学ではいくつもありますが、高等学校ではいまのところ、藤沢清流高校以外、全国どこにも見あたりません。

 

 

 さあ、新しい考え方による「21世紀型リーダーシップ」というものを、藤沢清流高校で学び、身に付けてみませんか。