秦野総合高等学校 定時制 > 定時制全校集会学校長の言葉

更新日:2021年8月4日

ここから本文です。

定時制全校集会「学校長のことば」

定時制全校集会「学校長のことば」 (令和3年7月 26 日)


みなさん、新しい年度となって、早4か月の月日が経ちました。この4か月は皆さんにと ってど のよう な毎日だったでしょうか。 世の中は、依然として、新型コロナウ イルス感染症 の収束には至っておらず、むしろ、感 染力の強いデルタ株の脅威に晒されている状況にあります。そのような中、本校は、感染症 対策を徹底し、 日常の授業をはじめ、生徒総会や交通安全教室、防災訓練などの行事を実施 するなど、 これまで何とか学習活動を継続 することができました。 5月の遠足は 残念ながら 延期となりましたが、新型コロナウイルス感染症 の動向 やワクチン接種 の進捗状況 をみな がら、 今 秋に実施する方向で検討しています。 どうか、コロナや熱中症に気を付けて、 充実 した 夏休みを過ごして ください。 さて、今日は、 「常識を疑う確かな力を養おう」というお話です。みなさん、恐らく毎日 のように信号のある横断歩道を渡りますよね。あの信号機、何のために設置されているので しょうか。 警察署のホームページ等を見ると、信号機の役割は、「交通事故を防止 する 」と 書いてあり、私たちもそれを 常識 として認識していると思います。 私は以前、観光とスキューバダイビングの免許取得を目的に、パラオ共和国という 南の 島 国を訪れました 。 滞在中 、外のレストランで 昼食 をとるために外出したのですが、通りの反 対側へ渡りたいのに信号も横断歩道もなく、車が途絶えないので 10 分以上も渡ることがで きませんでした。 やっと渡ることができ、レストランの店員に向かって「どうして信号機が ないんだ!」と尋ねると 、「いや、信号機は以前設置されていたが、そのせいで交通事故が 増えてしまい、撤去された。」と言うのです。 事故が増えた 原因は、「信号を守る人」と「信 号を守らない人」 、 そして、 「信号の意味そのものが分からない人」が混在した ためで した。 常識を 疑う こ とから生まれた 成功もあります。あるお寿司屋さんは、 お客さんにとって 「うまい」「早い」「安い」以外に「おもしろい」お寿司屋さん にしたいと考えて いました。
あるとき、ビー ル工場を見学し、ビール瓶が大量にコンベアで運ばれているのを見て 、「お 寿司をコンベアで回してみよう」と考 えました。その「寿司が回ったらおもしろい」という 発想 が、今や世界 20 か国以上で 親しまれて いる回転ずしへと発展したのです 。 「常識とは 18 歳までに培った偏見のコレクションである」 と言ったのは アインシュタイ ン です。「日本の常識は世界の非常」、「今日の常識は明日の非常識」 とも言われます 。 「 一 年中マスクを着けて過ごす 」 ことが常識になるなんて 一体 誰が想像したでしょう。 しかし、 「常識を疑う」というのは、すべての常識やルールを無視して、好き勝手に行動してもよい ということではありません。 なぜなら、すべての常識が間違っているわけではないからです。 大切なのは、疑うべき 常識 を探し出せる「 閃き(ひらめき) 」という力を身に付けることで す。ではどうした らその力をつけることができるのでしょうか。 元東京大学の総長である小宮山 宏 氏は、 2007 年の東京大学入学式で 、 「 常識を疑う確 かな力を獲得するためには 、『 教師から多くを学び取ること 』、『 同世代の仲間を作ること 』、 『 遠い将来を見据えること 』 が重要である 」 と述べています。 一人ひとり課題や悩みがある と思いますが、 どうか、 これからも授業を大切 にし、かけがえのない友人を作り、自分の将 来を見据えてください。 まずは 手始めに 、お寿司以外に、何をコンベアで回したら面白いか、 考えてみましょう。 もしよいアイデアを思い付いたら校 長室へ報告に来てください。