展示のご案内

展覧会リーフレット

特別展中世学僧列伝!!


     金沢称名寺に伝来した国宝「称名寺聖教・金沢文庫文書」は、中世に生きた学僧の足跡をリアルに伝える一大史料群として知られています。なかでも16,000点におよぶ「称名寺聖教」は、称名寺やその周辺寺院、京都や奈良の諸寺院で活躍した学僧たちの修学の成果を伝える一方、彼らの残した手紙からは、悲喜こもごもの心情や、学問を志しながらも世事に奔走していた様子がうかがえます。本展覧会ではそうした史料を読み解きながら、有名無名の学僧の生き様をご紹介します。
    称名寺の歴代長老、とくに初代審海、第二代釼阿、第三代湛睿については、100年近くに及ぶ県立金沢文庫の研究活動によって詳細な事績と修学のあり様が解明されてきました。しかしながら、中世の称名寺は長老以外にも多くの個性的な僧侶が集い、学ぶ場であり、その結果「称名寺聖教」の一角を構成する特徴的な聖教や古文書が遺されました。本展覧会では歴代長老の周辺で活動した、知られざる学僧たちに光をあてたいと思います。
    本展は全四章構成で、第Ⅰ章では称名寺の全盛期を主導した釼阿のもとで聖教の収集、書写をおこなった乗一、澄尊を取り上げます。第Ⅱ章では、湛睿と同時期に活動し、各地の寺院を遍歴し、修学に邁進した全海、亮順に注目し、彼らの蔵書を紹介します。第Ⅲ章では、戦乱の時代に称名寺や関東の諸寺院を巡って修学・修行に努めた湛円、鏡心に注目します。第Ⅳ章では、「称名寺聖教・金沢文庫文書」や関連する文書群のなかに見える、僧侶の修学を寺院経営という面で支えた僧侶たちに光をあてます。

           
主催 神奈川県立金沢文庫
会場 神奈川県立金沢文庫展示室
会期 令和5年7月28日(金)~9月24日(日)
休館日 毎週月曜日(9月18日開館)、9月19日(火)
観覧時間 午前9時~午後4時30分(入館は4時まで) 
交通 京浜急行「金沢文庫」駅下車徒歩12分(品川より快特33分)
JR根岸線「新杉田」駅接続、シーサイドライン「海の公園南口」駅下車徒歩10分
(最寄り駅から金沢文庫への地図はこちら

当館に駐車場はございません(身体障がい者用を除く)。
  ご来館の際は、公共交通機関をご利用ください。
主要展示作品
    種別   文化財指定   作品名   備考 (公開期間)
1 古文書 国宝 鏡心日記 称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理
2 古文書 国宝 仲文章要文 称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理
3 古文書 国宝 富士縁起(断簡・全海筆) 称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理
4 古文書 国宝 聖教目録 什蔵 称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理
5 古文書 不動明王二童子像 称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫保管
※文化財保護のため会期中一部展示替があります。

観覧料金


個人 観覧
区分 料金
一般 400円
20歳未満及び学生 250円
65歳以上 200円
高校生 100円
 
団体 観覧
区分 料金
一般 300円
20歳未満及び学生 200円
65歳以上 100円
高校生 100円

※備考 団体は20名以上

中学生以下及び教育課程に基づく教育活動として入館する高校生は無料。
障害者手帳/療育手帳/精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、手帳又は、スマートフォンアプリ「ミライロID」の手帳画面の提示で観覧料は免除(無料)となります。介助者の方1名も免除(無料)となります。
図書閲覧室のみの利用は無料。

ご来館のお客様へのお願い

◆展示室内での注意事項
○携帯電話のご使用や、大声での会話はご遠慮いただき、他のお客様の迷惑にならないよう、静かにご鑑賞下さい。
○展示品・展示ケースにふれないよう、ご注意下さい。
○鉛筆以外の筆記用具の使用は、ご遠慮下さい。
飲食・喫煙はお断りしております。

次回展示予告

令和5年9月29日(金)~11月26日(日)
特別展
廃墟とイメージ
  ─憧憬、復興、文化の生成の場としての廃墟─