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更新日:2021年8月23日

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令和2年度入学式(2020.4.17)

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令和2年度入学式が4月7日に行われました。

新型コロナウイルスの影響で、換気など感染予防に配慮しつつ教員と生徒のみで教室にて実施することになりました。

このような事態にも関わらず思い出に残る入学式になりました。

新入生のことばと学校長のことばをご紹介いたします。

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〇新入生のことば

新入生を代表し、ご挨拶を申し上げます。

 

柔らかく暖かな風に舞う桜とともに、私たち、二百三十八名は、横浜南陵高校の1年生として、入学式を迎えることができました。

受験当日には、ライバルに見えた周りの人も、今日この時からは、3年間共に学び、遊び、助け合う仲間になります。ひとりひとり、入学した理由は様々だと思いますが、本校で多くの貴重な思い出を作りたいという気持ちは皆、同じです。私たち新入生一同は、この新たな仲間たちと共に、自分自身に恥じぬよう卒業を迎えるまでの3年間の日々を、精一杯、悔いのないよう過ごしていきます。

昨今の非常事態により、私たちは、学校に通うこと、自由に外出する時間、その他様々なものを奪われました。それと同時に、当たり前のように通学できること、友達と笑い合えることが、どれほど幸せなことかを思い知ることができました。この事態が、一日でもはやく終息し、有意義な学校生活を送れる日が来ることを強く願っています。

最後になりましたが、これからお世話になる先生方、私たち新入生を温かい目で見守り、ご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。そして、今日この式に参加できなかった保護者の皆様への、感謝の気持ちを忘れず、日々過ごしていきたいと思います。

                      令和二年四月七日 第二十期生代表 関口 実波

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 〇学校長のことば

草木から大小さまざまな色合いの花が咲き、花の色が美しい季節となりました。238名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんを心から歓迎し、お祝いいたします。

さて、皆さんの中に高校生活や将来を見据えて、学び続けている人はいると思います。しかし受験が終わって合格を勝ち取ったことで安心し、何の準備もしていない人も多くいるのではないでしょうか。このまま、何もせずに家でのんびりと過ごしていては、確実に新型コロナウイルスの影響という壁にぶつかり苦労するでしょう。

少し先のことを考えてみてください。3年後には進路を決めて、それぞれの道を進むことになります。新型コロナウイルスによって様々なイベントが延期・中止になっています。延ばしたこと、中止にしたことによる皺(しわ)寄せは必ずあります。そして社会・経済が狂い、よりいっそう生きていくのが難しい世の中になっていくのではないでしょうか。例えば、今現在の学業の遅れは進学や就職に間違いなく響くでしょう。皆さんが前列のない壁にぶつかる世代であることは疑う余地もありません。

果たして、そのような時代のうねりに私たちは流されていていいのでしょうか。ここで、週刊少年ジャンプで連載され今、社会現象的な人気漫画となった鬼滅の刃という漫画にある言葉を紹介したいと思います。皆さんもよく知っている作品です。この作品の舞台は大正時代の日本。主人公が家族を殺した「鬼」と呼ばれる敵や鬼にされた妹を人間に戻す方法を探すために戦う姿を描いた話です。第一巻で、鬼殺隊の富岡義勇が主人公の炭治郎に言い放った言葉に「生殺与奪(せいさつよだつ)の権(けん)を他人に握らせるな」というものがあります。文字通り、生きるか死ぬかの権利を他人に握らせてはならないという意味です。妹が殺されそうになっている状況で、炭治郎に富岡義勇が言った言葉です。私が彼の言葉から皆さんに伝えたいことは、新型コロナウイルスによってよりいっそう厳しくなった社会や経済の落ち込みに、私たちの一度きりの人生は振り回されていいのかとういことです。鬼同様、社会や世間は私たちの都合や気持ちを汲み取ってくれません。厳しいですが実力がなければ、希望の進路や進みたい道を選ぶことができないのが現実です。しかし、このような状況にあっても、自分の人生は自分の力で切り開いていかなければならないと私は思っています。社会一般の考えや時代に流されてはいけません。

自分の道は自分で選び、進まなければ妥協した人生になってしまいます。そうならないためには、どのような不測の事態が起こっても、それを乗り越えることのできる強さが必要です。強さとはどのようなものでしょうか。私たちの発展した文明では、鬼滅の刃のような力づくでは通用しません。これからの社会を生き抜くためには、人としての魅力がとても大切です。

そして魅力的な人になるには、自分にしかできない経験を積むことが必要です。それは、勉強を頑張った経験というのも1つでしょうし、それにこだわらず、部活動で技術を仲間と追究することやボランティアで人の役に立つこと、興味のあることをやってみる。本をたくさん読むことなど何でも良いです。今は外出自粛で、できることは少ないですが、こんな時こそ心の中の自分と対話してこれからの自分のことを考えてみてください。そして、将来を想像してください。自分は将来何がしたいか。自分の魅力、武器となるところはどのようなところか。今、将来のことを真剣に考えて準備すれば、たとえ予期せぬ悪いことが起こったとしても乗り越えることができます。

今は非常時にあり、学校で生活することは叶いませんが、近いうちに、必ずここで集まって学校でしかできない学び、経験をしましょう。そのために私たち教師は、万全の準備をします。皆さんも、今できることを各々考えて、学校生活を楽しめるように努力してきてください。

最後に、新入生の皆さんが健康で、充実した高校生活を送れることを、願って式辞といたします。

令和2年4月7日

横浜南陵高等学校校長 井澤克仁

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保護者の皆様に少しでもお届けできたらと思います。