更新日:2023年4月28日
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校長 藤岡歩(ふじおかあゆみ)
神奈川県立あおば支援学校は、令和2年4月の開校を目指し、県立中里学園の跡地に、特に横浜北部地域及び周辺地域の特別支援学校の過大規模化の解消を図ることを目的として、校舎等の建設工事が進められ、令和元年11月1日、神奈川県条例により県立29番目の特別支援学校として、横浜市青葉区上谷本町に設置されました。
あおば支援学校は、小学部、中学部、高等部の3つの学部と、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門の2つの教育部門を設置している特別支援学校です。全校児童・生徒数200名程度の受入れを想定して作られている学校設備となっています。令和5年度は全校児童・生徒数210名になっています。(4月3日現在)
あおば支援学校の基本理念(コンセプト)は、「思いを紡ぐ 優しいあおば」としています。今まで設置してきた県立特別支援学校の集大成として、特別支援学校が培ってきた教育をしっかり継承するとともに、今後の学校教育における特別支援学校の役割を見据え、50年後も、100年後も変わらずに、子どもたちの成長を支え、地域に貢献する学校でありたいと考えています。また、保護者、地域の皆様が主体的に学校運営に参画し、ともに創っていく学校を目指したいと考えています。その上で、あおば支援学校が、これからの特別支援教育の「場」のモデルとなるような学校づくりを進めていきたいと思います。
コンセプトの「思いを紡ぐ」は、子ども、保護者、地域の皆様、教職員、すべての方々の「思い」や「願い」を、糸を紡いで布を織り上げるように相手に見える形にしていく、あるいは、形のない思いや願いを、相手にしっかり伝わるように言葉を紡いでストーリーを創りあげていく思いが込められています。そして関わる全ての人の手で、言葉を紡ぎ、子どもたちの成長の物語を創り上げていくことを表したいとの願いを込めました。『紡ぐ』という言葉は、子どもたちには、少し難しいかもしれません。しかし、この『紡ぐ』という言葉の意味を、子どもたちと一緒に考え、理解し、行動していくことが学校教育の役割だと、私たちは考えています。
「優しいあおば」は、多様性と言われる社会の中で、すべての人を受入れ認め合う優しさを醸成する学校であり、その場を、設置された青葉区だけでなく少し広い地域をイメージしていただくため、ひらがな表記で「あおば」としています。また、子どもの成長への願いも表しています。このような思いが、学校名にも反映されています。
あおば支援学校を拠点として、地域の皆様と、学校に通う子どもたち、保護者の皆様が、ともに学び、ともに楽しみ、ともに喜びあうことにより、相互理解に基づく優しい土壌が培われ、子どもたち一人ひとりが成長し、地域コミュニティを形成していくことができます。そのような活動を通して、共生社会の実現も目指していきたいと思います。
この基本理念のもと、学校の使命(ミッション)として、『子どもたち一人ひとりの確かな学びを支える』と、『地域とともに歩み、地域に貢献する』の二つを掲げています。
学校教育の場として、障害のある子どもたちの教育に専門性の高い教育を提供し、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じて、確かな学びを支えていきます。また、これからの学校に求められる「地域貢献」、この使命をしっかりと果たしていくため、まずは、児童・生徒、教職員が積極的に地域に出ていき、地域と関わり、貢献できるような活動を模索しています。
教育目標は、二つの使命に応じ、『自立と社会参加のために、一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育を行い、生きる力を育てる』と『地域とともに学校づくりを推進し、地域に貢献する教育活動を創造する』としています。
あおば支援学校では、地域に貢献する教育活動を創造し、これらをベースに置きます。そして、児童・生徒に育みたい3つの力として、『学びに向かう力・学びを生かす力』『人やものとかかわる力』『自分の心と体に向き合う力』を掲げ、これらの力を育てることにより、児童・生徒の生きる力を育成し、誰もが自分らしく自己実現を図れるようにしていきます。また、コミュニティスクールなどにより、地域の皆様に積極的に学校運営に関わっていただき、学校を地域コミュニティの拠点として活用します。これらの活動により、認め合い、助け合い、支え合う共生社会の実現を図ります。
私たちは、開校以来、あおば支援学校の教育理念、学校としての使命、教育の基本方針を大切にしながら、学校の取組みを積み重ねてまいりました。その間も、学校への地域の皆様の期待の高さを肌で感じてきました。その声に、お応えできるよう精一杯努めてまいります。そして、皆様からいただいた思いを紡ぎ、言葉をしっかり受け止め、形にしていきますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。