更新日:2020年1月21日
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令和元年度 神奈川県高等学校 ラグビーフットボール新人大会(10人制の部)
第1節 マッチレポート(中央農業17-12合同a) <文責:顧問 三上>
中農ラグビー部は新チーム初の公式戦に臨んだ。3年生の引退により選手数は15名に満たないが、神奈川県高体連ラグビー専門部の新たな試みとして10人制の部(参加5チームによるリーグ戦)が開催されたため、参戦を決定した。「公式戦初勝利」を目標としている中農ラグビー部柿﨑組にとって、これ以上ない機会だ。
12月22日日曜日この日の相手は合同a(住吉 クラーク国際)チーム。合同チームとはいえ、2校での選手数は20名近く、体格の良い選手が揃っている。加えて、9月の花園予選から同じ合同チームで戦っており、チームワークも抜群。中農ラグビー部はこの試合をリーグ戦の“大一番”と位置付け、試合に臨んだ。
11時30分キックオフ。前日から試合直前のアップまで、しつこいほど、試合の“入り”を大切にしようと言い続け、共通認識をもった状態で試合に入った。しかし、試合経験の少なさや、公式戦のプレッシャーからか、ボールが全く手につかない。意図なくボールを動かし、ガラ空きの裏のスペースを突くこともできず、イージーなハンドリングミス3連発でゴール前に迫られる。更に、スクラムではゴリ押しにあい、ターンオーバー。その後ミスマッチを突かれ、早々に失トライ。不穏な空気が流れる。
しかし、その後は落ち着きを取り戻し、準備してきた組織DFで相手にチャンスを与えない。相手のペナルティを誘いクイックリスタートでキャプテン・PR柿﨑がロングゲイン。BKに展開しCTB岩間が快速を飛ばしトライ。勝負を振り出しに戻した。その次のプレーでも、キックオフから粘り強く守り、ターンオーバーから展開し、LO鹿股がトライ。前半を12-5で折り返した。
後半も防御からリズムを作り、敵陣でのプレーが続いた。前半は慌てふためいていた司令塔・SO鬼多見も落ち着きを取り戻し、相手がラインアウトに不安が有ることを見抜きキックを上手く使いながらゲームメイク。しかし、たった1度のイージーな守備のミスからトライを許してしまう。ゴールも決まり12-12の同点となり、その後ゲームは膠着する。同点のまま、ラストワンプレー、合同ボールのラインアウト。「もうだめか」という雰囲気がベンチを包んでいたが、選手たちは諦めていなかった。ラインアウトにプレッシャーをかけ、ボール奪取に成功。一気に大外まで展開し、最後はCTB綿貫が勝ち越しのトライを決め、17-12での勝利。柿﨑組の初陣はなんとも劇的な幕切れとなった。
この試合、特筆すべきはキャプテン・柿﨑。実はこの試合、チームのキープレイヤー中のキープレイヤーのFWリーダー・PR佐藤を怪我で欠いていた。柿﨑と佐藤は部員数が少ない時代を乗り越えてきた2人。この試合に出ることができない佐藤の悔しさは柿﨑が一番理解しているはずだ。この試合に臨むうえで、並々ならぬ想いがあったに違いない。それほどに、この日の柿﨑のプレーは鬼気迫るものがあった。ボールを持てば必ずゲインし、苦手なDFでも体を張った。これからもチームの柱として、他を圧倒するプレーを期待したい。
1年生の台頭も目立った。SH森のテンポの良い球さばきやLO柳下の突破など、確実に勝利に貢献した。ラグビーという競技の楽しさ、面白さを理解し、主体的に練習に取り組む姿が見え始めた伸び盛りの1年生。今後の成長に期待大だ。
単なる県大会での1勝。世間的に見れば取るに足らない出来事かもしれないが、中農ラグビー部は「公式戦初勝利」という新たな歴史を創造した。リーグ戦は残り3戦。心を一つに。
ユウタ「合同戦ではFWはスクラムで負けてしまったが、その他の部分では有利に進めることができました。BKは外まで展開し理想的な形でトライを取ることができました。全体的にアタックでは前に出られていたが、ディフェンスの部分がまだまだだと実感したので、もっと練習が必要だと思いました。次の新城戦では、アタック面では継続すること、ディフェンス面では前に出ることを意識し、全ての面で相手を圧倒し、年内2勝の目標を達成したいです。」