ICT利活用教育推進モデル校 及びICT利活用教育推進スーパースクールとしての取組
研究主題
ICTを利活用した授業づくりの実践的な研究
目標
ICTを利活用して、生徒が互いに教え合ったり学び合ったりする「協働学習」を授業に 幅広く取り入れながら生徒の言語活動の充実を図ることにより、思考力・判断力・表現力を育成する。 また、ICT機器を活用しながら生徒主体の学習活動を多く取り入れた授業づくりを推進することにより、 学校全体の授業改善に繋げる。
教育設備
- 機器整備:タブレット型端末40台、プロジェクタ9台、書画カメラ9台等
- 通信整備:AP(アクセスポイント)23教室(L2PoE対応)
*当初予定の1学年教室への整備は、10月下旬に完了した。併せて、APについては、A・B棟の3、4階教室に1台づつ常設し、PoE対応のL2HUBに変更(学校予算にて対応)した。
期待される授業や学びの変化
- 画像を使った教材を視覚的に提示することにより、学習効果が高まる。
- 学習内容に対する生徒の興味・関心を深め、効率よくわかりやすい授業が可能になる。
- 提示した画像の内容について、考えさせたり分析させたり話合わせる場面を多く取り入れることにより、言語活動も活発になり、思考力や判断力の向上が期待できる。
- 普通教室においても、生徒主体の学習活動を多く取り入れた授業づくりが容易になる。
- 普通教室でもインターネット等を使った調べ学習を行うことが容易になる。
- 調べ学習の成果について、ICT機器を活用した発表が容易になる。
- 協働学習が展開しやすくなる。
- 授業と家庭学習との相互補完が可能になる。
- クラウドシステムを用いることで、授業の予習や下調べなどの適切な指示が可能となり、家庭学習そのものを補完できる。更にその達成度や習熟度も確認でき、本校の目標とする「自立型学習」を確立させることができる。
- 生徒一人ひとりの学力やニーズに応じた課題を提示し、個別指導を行うことが可能になる。
H26年の取組
Google社との連携(いつでも、どこでも、何でも学習できる環境づくり) Google Apps for Educationの利用契約とそれに伴うシステム整備について、総務室を仲介してGoogle社及びソフトバンク社の全面協力により実施した。
- 自然科学コース1、2学年生徒全員(段階的に全生徒へ拡張予定)、及び全教職員のGメールやポータルサイト使用のための環境整備
- グーグル上のスプレッドシート(表計算ソフト)、Gドキュメント(文書作成ソフト)、Gスライド(プレゼンテーションソフト)等のアプリケーションを使用した協働学習・反転授業を行うための環境整備
校内研修(教職員対象)
●「タブレット型端末を活用した協働学習を体験してみよう」(6月29日)
職員全員を対象としたワークショップの実施
「教育の情報化を推進するための研究」研修会(7月22日)
●ワーキンググループ及び希望者を対象とした講義
講師:高校教育指導課・総合教育センター教育課題研究課
授業実践
- 1学年「地理」におけるタブレット端末を使用した公開授業(6月)
- タブレット端末利用講習会(7月17日)
Google社職員による自然科学コース1・2学年生を対象とした講習会
自然科学教室(校外授業)での利用を前提とした講習会をGoogle社(エンタープライズ部門教育担当 日本総括責任者 菊池氏)により実施
- 自然科学教室での活用(7月19・20日)
2学年自然科学コースの自然科学教室(校外授業)にタブレット端末を持参しグループワーク等で活用
- 「Google Appsを使おう!」(9月4日)
- 「タブレット型端末を活用した協働学習を体験してみよう」
文教常任委員会学校訪問調査
Google Apps(クラウドシステム)上で、自然科学教室(校外授業)の振り返りを行い、 9月文化祭や12月に行われる「自然科学コース校内発表会」に向け、報告書等を作成した。
- 次項でもわかるが、モデル校事業については概ね良好な利用状況であり、今後はICTを利用するねらいやタイミングを更に研究することで、その効果は上げられると考える。
- 項番7については、タブレットPC利用の授業がまだ少ないのでこのような結果である。
- 「Google Appsの利用について」(全職員向け 11月27日) ~事故防止会議とともに~ USBが不要になるクラウドシステム
事例発表
- 総括教諭対象教育課程説明会11月7日(中間報告、事例発表)
- 修悠館高校来校12月3日(Google Appsの導入について)
今後の取り組み
- 2学期実施の授業評価アンケート等も踏まえた授業改善や、年間学習指導計画に、ICTの有効的な利活用を検討し、来年度授業に反映させる。
- 反転学習や協働学習の導入について検討する。
- 検討結果を踏まえ、来年度1学期と2学期「学校へ行こう週間」に公開研究授業を行う。
- モデル校事業(指定2年間)の総括を行う。
- スーパースクール校(指定3年間)の2年目として、具体的な取り組みを計画する。
懸案事項・対応
- 職員アンケートを実施し、問題点の洗い出しを行う。(インフラ面、ソフト面)<現在進行中>
- タブレットPCの具体の利活用について、更に検討を重ね、様々な利用状況に応えられるようにする。<各教科依頼済み>
- 「教育整備」で前述のように、教室でのタブレット使用は、電源やネットワーク周りのケーブルは不要だが、AP(無線LANアクセスポイント)については、その性能によって複数台が必要となる。そのため、AP用のLANケーブル、電源コードを教室内で引き回す必要がある。特に電源については、コンセントに限りがあるため、準備をするだけで相当な時間を費やす。そこで、PoE対応(PowerOnEther:LANケーブルで電源も賄える方式)にすることで、その手間は激減した。今回の指定では、予算がないため、来年度の形状を待つのでは授業展開が大幅に遅延するので、校内予算で対応せざるを得なかった。
- 機器の貸し出し等、かなり詳細な取り決めをしつつ進めているが、現在のところ大きな懸案なし。
- 有効的な利活用の検証について、各教科に依頼したところであるが、来年度懸案の1つである。