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更新日:2024年12月5日

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テーマ学習『工作・実験』

12月2日(月曜日)、テーマ学習『工作・実験』の第5回を実施しました。最終回となる今回は、初心者でも簡単にできる実験を行いました。使用する材料も100円ショップ等で簡単に入手できます。

「空気砲」

2種類の空気砲の強さを比較しました。段ボールで作った空気砲は想像以上の風圧です。空気砲から発射された空気は、ドーナツ状の渦輪となり、安定した形状を保ちます。そのため、一度できた渦はなかなか消滅せず、遠く離れたところまで届きます。

工作実験5-4

 
「大気圧」

プラスチックカップがクリアファイルのシートで持ち上がります。カップとシートの間に接着剤などは使っていません。シートにコップを置いたときに少しだけ押し付けて密着させているので、コップ内の空気の体積が少し減少します。その状態でつり上げると、シートが引っ張られるため、コップ内の空気の体積が少し増加します。このとき、コップ内の空気の密度は低くなり、圧力が低下します。この結果、大気圧によるコップの外側から内側に向かってシートを押し付ける力が働き、コップが持ち上がったのです。

工作実験5-3

 
「ペットボトルの雲」

ペットボトルの中にエタノールを吹きかけ、線香の煙を充満させた後に、炭酸キーパーを使って容器内に空気を送ります。十分に圧力がかかった状態で、炭酸キーパーの栓を緩めると、エタノールの雲が発生しました。空気に含むことができる水蒸気の量は、温度が高いと多く、温度が低いと少ないという性質があります。空気は圧縮すると温度が上がり、膨張すると温度が下がります。栓を緩めた瞬間に圧縮されていた空気が膨張し、温度が下がります。このため、それまで空気中に含まれていたエタノールが冷やされて、エタノールの雲になったのです。地球の上空では地表よりも気圧が低いため、暖められて上昇した空気は膨張して温度が下がります。この空気中の水蒸気が冷やされることで雲ができます。なお、本実験では水の代わりに、気体になりやすいエタノールを使用しました。

工作実験5-2

 
「屈折率」

消臭ビーズに使用されてる高吸水性ポリマーと、ビー玉をカップに入れたら、ゆっくりと水を注ぎます。消臭ビーズは透過して見えにくくなりますが、ビー玉ははっきりと見えています。光は、水とガラスのような異なるものの境界を通過するときに屈折します。ところが、吸水しているビーズはそのほとんどが水分であるため、水と吸水ビーズとの境界では、光はほとんど屈折しません。一方、水に浸かっていない部分の吸水ビーズは、空気との境界で光が屈折するためはっきりと見えます。

工作実験5-1

 
「減圧沸騰」

注射器型のスポイトの中に80℃程度のお湯を10mL取ります。ピストンを引いて容器内を減圧します。100℃以下ですがブクブクとお湯が沸きました。水が100℃で沸騰するのは、大気圧が1気圧という条件の場合です。水が沸騰するためには気化した水蒸気の圧力が大気圧を超えなくてはなりません。水の温度が約100℃に達すると水蒸気の圧力が、1気圧を超えて沸騰が始まります。本実験のように注射器のピストンを引くと、注射器内のお湯にかかる圧力が大きく下がるので、100℃よりも低い温度で沸騰するのです。

工作実験5-7

 

それぞれの実験方法はWeb等で紹介されていますので、是非、ご家庭でも試してみてはいかがでしょうか。きっと新たな気づきが生まれるでしょう。