【学校運営協議会】
■会長挨拶
今回で、令和4年度最後の学校運営協議会となる。これまで、3年以上にわたって、新型コロナ感染症と付き合ってきたが、政府を見ても、感染症としての規定を5類相当へ引き下げることなどが発表されて、新しい動きが出てきている。
学校としても、今までできなかったことや、やりたかった教育活動が色々とあると思う。本日の協議内容を活かして、これまでの実践をまとめ、来年度につないでほしい。本日の運営協議会、よろしくお願いしたい。
■副会長(校長)挨拶
本日の運営協議会が最終評価となるため、委員の方々には色々なご意見
をいただき、次年度につなげたい。
本校では、来月15日に卒業式を迎える。現3年生は3年間ずっと新型コロナ感染症と過ごしてきた学年である。学校として、十分な活動が提供できなかったのではないかと、心配な気持ちもある。それでも生徒たちは頑張って、ここまでやってきてくれた。
15日には卒業生全員が参加する中で、卒業証書を渡したい。県教委から「卒業式において、マスクの着用を求めない」との通知が来ているので、マスクをつける方、つけない方が出てくると思うが、感染拡大防止に留意し、個々の思いを大切にしながら、卒業式を実施したい。
本校では、国体で活躍した生徒が、教育委員会の教育長表彰を受けた。うれしいニュースなので、報告させていただく。本日、よろしくお願いしたい。
【地域防災部会】
■応急給水訓練の報告と今後の予定について
新型コロナウイルス感染症で色々な計画ができないことが続いたが、令和4年度は、9月に防災訓練ができた。
11月13日に応急給水訓練と新任運営委員研修を行った。正門の所に大きなタンクがあり、避難所で使用するきれいな水を溜めることができる。通常は学校の敷地外から水が入り、校内の水道で使用しているが、地震があって振動が伝わると自動的にタンクとなる。3年ぶりに三ツ境水道事業所の協力の下、総勢14人で行った。本校からは副校長が参加した。マンホールのふたを取って、井戸で使用するような汲出しポンプで蛇口につなぎ、水質の確認等を行った。新任研修は座学で防災拠点の役割等の話をした。
1月17日の夜の訓練は、残念ながら中止になった。
■意見・質問
特になし
【学校評価部会1】
■令和4年度学校評価報告書(校内評価)について
学校評価報告書(校内評価)には、第2回学校運営協議会で報告した「中間評価」から、さらに進めた活動について校内で評価を行い、記入した。「学校関係者評価」の欄には、生徒や保護者からのアンケート結果の抜粋と、これまでの運営協議会における委員の皆様の意見を載せてある。
これから、各グループの総括教諭より、パワーポイントを使用して校内評価の内容を説明させていただく。
〇教務グループ
- 「主体的、対話的で深い学びのチェックシート」の初任者研修授業での活用と指導案への反映についての報告。
- 教科会の活用
年間指導計画の内容の周知、実際に行った授業の共有と次年度についての方向性を話し合う機会とした。
新書式を全学年で使用した。アセスメントの精選について、個別教育計画様式1について、生徒の実態表の作成についての報告。
4月と2月の評価を比較した。生徒同士のコミュニケーションの大切さ、場面設定の必要性についての報告。
〇総務管理グループ
社会生活の授業で事前学習を行った。生徒は、話をよく聞き、煙の中での行動について学べた。日頃の授業と連携した防災教育となった。
職員が避難所の運営について考える良い機会となった。地域と話し合って決まっている内容について、教職員に繰り返し周知をしていく。
コロナ前は、この研修に地域の方も参加していた。今後は地域の方にも参加していただける研修としたい。
- 保護者アンケートと生徒アンケートの結果に差があった。保護者や地域の方々に向け、学校の様子について情報発信をしていく。
- 防災教育と職員研修について
- 地域の防災訓練への参加について
〇連携支援グループ
- メモの活用の様子の紹介。メモをもとに作業日誌を記入する場面など。
- 作業日誌の改訂について。就労準備性ピラミッドを意識できる書式とした。「楽しかった」という記述から、具体的な内容の記述に変わった。
- 地域向けパン販売の際のアンケートをもとに、次につながる振り返りができた。大和南高校の生徒との関りが持てた。
- サポート会(旧PTA)と作業学習のコラボ企画が好評であった。
- 阿久和地区センター祭りへの参加で、地域の方に本校を知ってもらう良い機会となった。
- 相鉄ローゼンに置かせていただいている、作業学習で作成した紙袋へのお礼のお手紙をいただいた。
〇教育推進グループ
- 政治参加教育は、自己選択、自己決定を学ぶ場。
- 2年生の模擬投票について、仮想立候補者に投票する授業を行った。
- 夏の人権研修、冬の生徒指導研修では性教育を取り上げた。研修した内容を生徒指導に活かせることが大事。次年度については未定だが、タイムリーなものを企画していきたい。
■令和4年度学校評価アンケート結果について
〇視点1教育課程・学習指導
- 保護者の評価は、昨年度より良い。生徒の評価は、下がっている。
- 回収率は、生徒は87%、保護者は64%。
- 課題として、おおむね良い評価をいただいているが、「楽しく学校に通えていない」と回答した生徒に対して、どのような支援をしたらよいか引き続き検討し、取り組む。
新型コロナ感染症の影響で普段の学校生活や授業を公開できなかった。
様々な教育活動の様子を、授業参観等の設定を工夫して発信していく。
〇視点2生徒指導・支援
- 個別教育計画については、保護者の方からは高い評価を得ているが、今後も生徒一人ひとりの実態をきちんと把握し、より読みやすく活用しやすい書式に改善していく。同世代間のコミュニケーション力について、友達同士だと難しいという意見がある。日常生活において生徒同士がコミュニケーションを図れる場面を設定していく。自己理解、他者理解を深め自己有用感や他者への共感性を身に付けるため、SSEの職員研修を行い、正しく活用し、支援に活かしていきたい。
〇視点3進路指導・支援
- 生徒、保護者ともに昨年度より評価が上がった。
- 進路指導、支援に関して保護者の関心が高い。評価は上がっているが、よりタイムリーで豊富な進路情報が欲しいという意見がある。保護者のニーズを的確に捉え、分かりやすい情報発信(おたより、HPを利用)を積極的に行う。メモの活用など、教科等横断的な取組をさらに検討し、3年間を通じて発展していけるような進路学習としたい。
〇視点4地域等との協働
- 保護者と生徒で、評価にかなりの差が出ている。
- パン販売を通じた地域との関わりや消防署と連携した防災訓練について、生徒の評価は高い。一方、保護者からは、学校内の取組の状況がわかりにくく、評価ができないという意見をいただいた。今後は積極的に情報発信をしていく。
〇視点5学校管理・学校運営
- 「人権に配慮した丁寧な指導」は高い評価を得ている。今後も「高校生としての年齢相応の対応ができているか」などを検証し、様々な職員研修で専門性の向上を目指す。
- 研修についての取り組みを発信していく。
■不祥事ゼロプログラム最終検証について
- 第2回学校運営協議会で中間検証として、不祥事防止に関する10月までの取組を報告した。今回は最終検証を報告させていただき、次年度に活かしたい。
- 11月入学者選抜、12月職場のハラスメントについて校内研修会を実施した。アンガーマネジメント研修について、よこひな通信1月号に掲載した。内容としては、6秒ルール、怒りのタイプ診断についてなど。
- 職員会議の場を利用して、ミニ研修会を実施した。校内の教職員が各自の専門性をいかした講義を行った。
【学校評価部会2】
■学校評価部会1の報告に対する意見・質問
<委員>
経営する法人では、次年度に向け、人員確保や人材育成等の準備をしている。職員が変わっても、事業の方向性や計画を変えずに進められるようにしている。学校現場と福祉の現場との違いは何かと考えた時、計画と方向性の面では同じだが、記録と評価はどう行われているのか。学校として、計画と方向性の周知と、記録と評価の両方が大切。それぞれの教員が持っているものを記録に残して、どう評価していくのかを検討すると良い。毎日少しずつ記録をためていくと、客観的な評価が得られる。若い職員の指導時など、記録をつけることが良いと考えている。
子どもがコロナ禍に入学したが、楽しく学校に通えている。もうすぐ卒業するが、教育の成果を自分の子どもを通じて感じている。温かい学校としての教育の方向性と実践を続けてほしい。
<校長>
アンケート結果を見ると、学校で実践していることが、保護者の方にうまく伝えられていないと感じる。職員研修など、小さな研修も含めると20本以上実施しているが、伝え方に課題がある。アドバイスをいただきたい。
<委員>
わからないから、「どちらともいえない」を選んでしまう。不祥事防止研修だけでも20以上ある。研修をしていることをもっとアピールすると良い。学校から配付されるプリントが何枚もあると見すごしてしまう。魅力的な目を引くタイトルや実施して感じたことなど、保護者が見たくなるように伝えられると良い。
学校が閉じているとは思わないが、小・中学校よりも、授業参観や懇談会の機会が少なく、保護者の横のつながりもうすいと感じている。先日のサポート会の集まりは、楽しかった。サポート会という名前だと、PTAよりハードルが下がって良い。機会があればまたやりたい。
<校長>
学校に来ていただくことは大事だと考える。授業参観だけでなく、普段の日に、どうやって来ていただくか。「いつでも来て良い」と言われても来にくいと思うので、方法を考えていきたい。
<司会>
サポート会とは?
<事務局>
PTAに変わるもので、活動は保護者の方と協力して、今後考えていく。
<司会>
保護者への情報発信の仕方や、学校評価アンケートの設問の内容も答えやすいものに改善すると良い。
<委員>
実習を受け入れている側としては、コミュニケーションが大事だと考える。あいさつはでき、問かけに対してしっかり返せる子が増えている。しかし、先輩社員に対して休憩時間等での会話がうまくできない。「はいはいはい」と友だち口調になってしまう。少し年上の人に対してどのような内容の会話や、言葉づかいをしていくかを色々な機会をとらえて練習する必要がある。地域販売などでシミュレーションすると良い。たくさんの機会で慣れることが必要。
メモの活用について、反省会の時など、言葉をかけないとメモを出さない。メモ帳を出しても、書かないこともある。書くことに慣れることは大事だが、自分にとって必要な時に出して、書くという経験が大事。
客観的な評価について、自己評価と他者評価の視点が大切。自分の思いと他者の思いの違いについて伝える。本人は思い込んでいると直せない。他人から見えているものとの違いを意識する機会が必要。
<司会>
年間指導計画について、教科会で評価検討するとのことだが、手ごたえはどうか。
<事務局>
月1回、教科会を実施。3年間の系統立てた指導内容表があるが、今年度の内容の更新、改訂を行う。担当者が協議内容を伝え、実施している。
<司会>
個別教育計画について、合理的配慮の項目があるのはよい。メンタル面での配慮が書かれているが、物などの配慮の例(こうした補助物があれば目的地へ行けるなど)の事例は?
<事務局>
新1年生から、個別教育計画1を取り入れるよう、検討している。記入例を出したが、本校は、精神的な気持ちに配慮が必要な生徒が多いため、このような記載となった。補助具、補装具などの例はあると思うので、記入例には入れていく。
<事務局>
拡大プリントの使用など、ニーズに合った教材の工夫は、通常行っている。
<司会>
性教育について、第2回の運営協議会の時、生徒指導につながるような研修という話があったが、どのように行ったのか?
<事務局>
校内の教員が講師を務め、LGBTQ+についての様々な事例をもとに、人権教育の一環として実施した。
<司会>
それが先ほどのアンケートの結果となったと思うが、45%の回収率は低いと思う。もう少し、回収率を上げる声かけをしても良いのでは。性教育の問題は大きい。
地域側として、意見はあるか?
<委員>
2019年に地域の夏祭りを行った。学校にはパン販売をしてもらった。子供、親が遊べる時間帯を設定した。学校には、合唱や合奏などの協力も依頼したことがあるが実現していない。この学校には太鼓があるので、やってもらいたい。今年度は、7月29日(土曜日)に夏祭りをやろうと思っている。
地域の防災訓練については、初期消火箱は公園にあり、消火栓はプールの前にあるので、すぐ使えるように訓練すると良いのではないか。地域に呼び掛けてもらえれば、いつでも訓練に参加する。地域と学校が融和できるようにしたい。ひなたやま地域は、学校と地域とのつながりが大事。2028年5月28日で50周年になる。
<司会>
コロナで行事が実施できなかったということが続いたが、来年度は新しい行事が実施できるようになると良い。
<司会>
不祥事ゼロプログラムについてはどうか?
■意見・質問
特になし
【切れ目ない支援部会】
■共生社会の実現に向けた取組について
<事務局>
共生社会の実現というのは大きなテーマである。配付したスクールガイドの表紙に、本校の基本理念が書かれている。2月18日(土曜日)の中2対象学校説明会では、200名近くの方が参加し、校長が「自己実現」について話をした。本校の生徒には自分だけでなく、周りのみんなを幸福にすること、当事者としてだけでなく、発信者として社会に出ていく力をつけさせたい。
校長がよこひな通信に書いているように、OECDは2030年の教育のゴールとしてウェルビーイングをあげている。その内容は、本校の基本理念と同様である。本校のグランドデザインには、「目指す生徒像」としてコミュニケーションの大切さ、自分から発信できる力をつけることを示している。令和6年度には新たな目標を設定する。新たに目指す力として、どのようなものが必要か、助言をいただきたい。
<司会>
校長からは、当事者という言葉が出ている。われわれのそれぞれが当事者として共生社会の実現に向けて動いていると考える。そうした前提で、たとえばわたしも、知的障害のある成人の入所施設を取り上げさせてもらって、どんな実態があるのか、どのようなことをやっているのか、それが、障害のある人の「収容」といったことではなく、共生社会の回り方において、どんな役割を果たしうるのかを報告させてもらったことがある。
ところで、共生社会の実現のための最前線の当事者の一人が障害のある人自身だということは言うまでもない。その人が、どんなふうに共生社会へ向かう社会で生きていき、能力を発揮できるのかが問題になっている。
この問題に、横浜ひなたやま支援学校は、「生徒をこのようなイメージで育てたい」ということを掲げることできちんと応えていると思ってきた。これからは、それをどうやって具体化するかという段階だと思う。学校にいる3年間で、生徒はどのような力をつけて社会に出ていったらいいのか。3年間で完成できるわけではないので、子どもたちにつけてもらいたい力について意見が欲しい。
■意見
<委員>
知的障害者社員に、「自らの力を最大限発揮しよう。今日もいい仕事をしよう」とよく言っている。仕事に点数付けをするならば、誰もが100点満点をとれるわけではない。いい仕事とは80点が自己ベストの人は常に80点を取る努力を、60点が自己ベストの人は60点という、それぞれの能力に合わせた満点を取る努力をすることであり、80点取れる人が60点の仕事しかしないのは、いい仕事をしたとは言わない。そして、ひとそれぞれの満点の点数は、努力し続けていれば、80点の人は90点に、60点の人は70点に成長することもできる。
いつもと違う状況に置かれると、慌てたり焦ったり、固まってしまったりする。それを少しでもなくすために、自分の方法で情報を収集するように伝えている。明日は雪が降るかもしれないとしたら、自分で天気予報を見る、雪が降っている道を想定して早く出る、靴はどうするのかなど、自分で情報収集してイメージをすると慌てない。想像していないことに関しては慌ててしまう。イメージしておくことが大事。イメージトレーニング、癖づけ、習慣づけが大切である。
<司会>
生涯学習の観点から意見があれば。教育は3年で終わるわけでなく、その先も続いていく。
<委員>
家庭の監督力が落ちているように感じる。学校に行く前に素地ができていないと、学校に行ったからといって改善されるわけではない。公園の掃除をしているが、捨てられたごみを見て思う。小さい頃から、人間としての基礎的なことが身につきにくくなっている。
保土ヶ谷区の生涯学習支援センターの「保土ケ谷サンタ」という活動で、「お掃除サンタ」というものがある。毎週土、日に集まって掃除をしている。子どもが喜んでごみを拾っている。そういう子はごみを捨てる子にならない。家庭の中の教育力が落ちている。
<司会>
児童養護施設では、家族から離れたところで、こどもたちが育っている。ふつうに考えると家族のお父さんやお母さんなどとのやり取りの中で、人間の正しさといった感覚を自然に身につけていくが、そういった経験が(とても)薄いこどもたちもいる。施設の職員、友達、ほかの大人などとの関係の中で、どうやってわかってもらえるか、育っていくか、試行錯誤をしている。
<委員>
大人も悪い。たばこの吸い殻なども捨ててある。子どもだけでなく、教えるべき大人もよくない。
<司会>
ステップアップしていく思考が足りない。なりたい自分になるために、何が必要かの段階が分からない。積み重ねの大事さを教えるためのアイデアがあると良い。
<事務局>
進路学習について、1年次では「知る」、2年次では「挑戦する」、3年次では「決める」と積み重ねていく中で、最終的に自分の思い描く進路に進んでいく。就労準備性ピラミッドの積み重ねについて、隙間なく積み上げるように学年でも取組んでいる。
<委員>
子どもが入学時には、何らかの進路を決めて卒業することになると思った。親として様々な資料をもらい、目を通しても実感としてイメージができない。卒業時をイメージするのが難しい。分からないことが分からない。
子どもの可能性を大人が消してはいけないと思い、就労を考えたが、「企業と語ろう」に参加して、本人のやる気が一番大事だと聞いた。3年間で出来上がるわけではなく、50%くらいの生徒が大学に行く時代なので、無理して働きに出さなくてもよいかと思い、専門学校に行ったと思って、2年間就労移行支援を受け、それから働きに出てもよいかと考えている。
清掃技能検定の時、自力で湘南台で乗り換えて目的地に行くことができた。イメージして、できるかもと思えるまでに時間がかかる。経験を積み上げて、できるイメージをする。
メモが取れることはとても大事だと思う。メモを取るタイミングや何を書けばよいのか、学習して身につけられると良い。言葉づかいについては、口数が少ないので、どのような言葉を使ってよいか分からない。1,2歳上の方と話す経験を積んだり、相手に不快感を持たせないような話し方ができたりすると良い。
<司会>
次年度に向けて、また違う角度から協議のテーマを見つけられると良い、ということで本年度の締めくくりにしたい。
【事務連絡】
<事務局>
本日の報告書案がまとまったら、委員の皆様に送付する。前回同様、確認いただいた後にホームページに掲載する。
<校長>
次年度に向けて、今回いただいたお話を参考にさせていただく。
以上
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