更新日:2025年10月15日
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皆さんお久しぶりです。地歴・公民科の井上渚沙です。
8月から、アメリカのボストンという街に来て早三か月となりました。
今回は第2回なので、お祭りを取り上げようと思います。
10月といえば、「ハロウィン」がありますね。
皆さんの中には大人たちに「トリック・オア・トリート!」と言ってお菓子をもらおうとする人もいるのでしょうか? 今回は「アメリカ」のハロウィンの歴史とハロウィン事情について紹介します。
「ハロウィン」とは、アイルランドなどに住んでいた古代ケルト人の祭礼「サウィン(Sawin)」が起源と言われています。サウィンとは「夏の終わり」という意味で、秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う宗教的行事です。このお祭りとキリスト教の聖人に祈りを捧げる祝祭が融合し、「Hallow Eve」(聖人の日の前夜)、転じて「Halloween」となったそうです。
Q写真の「かぼちゃ」は何に使うのでしょう?

かぼちゃをくり抜いて顔にする「ジャック・オ・ランタン」というのを知っていますか? 実はハロウィンでかぼちゃを飾る風習はアメリカ発祥です。いつからこの風習が始まったのでしょう?
アメリカにはアイルランドから多くの移民が来ました。(世界史を学んでいる人は、19世紀にアイルランドでジャガイモ飢饉が起こり、飢えに苦しんだ人々がアメリカに渡ることを学びますね。)このアイルランドの移民がハロウィン文化を持ち込みました。本来はカブを使った飾りつけでしたが、アメリカでカブがあまり生産されておらず、代わりにかぼちゃを使ったのが始まりだそうです。
現在、かぼちゃ=ハロウィンとなり、スーパーには様々なかぼちゃ商品が並びます。(かぼちゃの香りのハンドクリームも…。)

他にも、「トリック・オア・トリート」は、もとはアイルランドの風習が由来ですが、カナダ・アメリカで「仮装した子供が『トリック・オア・トリート!』と言ってお菓子をもらう風習」に転じます。アメリカで独自に発展したハロウィン文化は、ハリウッド映画やアニメ、コミックを通じて世界に広がりました。
今回はアイルランド系移民がアメリカに持ち込んだハロウィンがアメリカで融合し、アメリカ文化の一つとして花開いた経緯を紹介しました。皆さんの身近な行事やお祭りについても調べてみると面白い発見があるかもしれませんね。次回もまたアメリカ事情をご紹介します!
(2025年10月13日 井上渚沙)