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更新日:2024年10月7日

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インクルーシブ教育実践推進校

本校は「インクルーシブ教育実践推進校」として生徒同士の相互理解を深めることを目標としています。本校では、すべての生徒がともに学ぶ経験を通して、互いに認め合い、多様性を尊重する態度を養ったり、互いのよさを生かして協働する力を育んだりしながら成長することを目指していきます。

インクルーシブ教育実践推進校としての目標と特徴

相互理解を深める

  • 多様性を尊重する態度敬愛の碑
  • 互いのよさを生かして協働する力

これらは相互理解を深めるために高校生活の中で育んでゆく事項になりますが、相互理解が進むことでより深化することが期待されます。また学校施設・設備などのハード面と生徒・教員の考え方のソフト面が相互に関連することでより深化し、アップデートされることでよりよい学校、そして社会をつくることが期待できます。
本校の教育目標の一つ「敬愛」は「自他を大切にし共に学ぶ」事を意味しています。昇降口前にシンボルツリーと「敬愛」の碑があり、生徒が普段から意識する言葉の一つとなっております。

 

 

inclusivemokuhyo

特徴

  • 部活動・委員会・行事など充実した学校生活
    居場所ができる → 自己肯定感の向上
  • 全ての生徒にとって分かりやすい授業
    ユニバーサルデザイン
  • 高校という小さな社会の中で、卒業後の社会への適応性が身につく
    相互理解 → 障がい受容へつながる
  • 進学や就職など幅広い選択肢がある
    自立・自律を体得 → 自己実現へつなげる

学校のユニバーサルデザイン

プロジェクター&スクリーン、ホワイトボード

全ての生徒が授業に集中し、学習しやすいようにユニバーサルデザインの視点を様々な場面で取り入れています。普段の授業ではプロジェクターとスクリーンを用いた教材提示により、聴覚および視覚にアクセスして知識の定着の一助とします。また、連絡事項を教室側面に設置したホワイトボードに提示することで、授業中のノイズを低減化し集中力向上を目的としています。

黒板とスクリーン ホワイトボード_教室横

学年ホールのホワイトボード

各階にあるホールにその日の予定・連絡・提出物等の連絡事項を各学年ごとのホワイトボードに集約して、可視化しています。また、遠足や修学旅行などの学校行事の連絡や振り返りを提示することにより、共通の話題を提供し相互理解を自然に促しています。

学年ホワイトボード 学年ホワイトボードの活用

他にも学校のルールやマナーを意識づけるために「生活目標の焦点化」させたり、教員からの様々な「生徒への問いかけ」や、教科を横断した「高等教育の繋がり」を意識した展示物など工夫したものも多くあります。

学年ホワイトボード・焦点化 ホワイトボード・問いかけ ホワイトボード・高等教育への繋ぎ

授業のユニバーサルデザイン

ICT活用・グループ学習・ティーム・ティーチングの実施

全ての生徒にとって学びやすい授業形態として、ティーム・ティーチングの授業を多く設定しています。インクルーシブ教育実践推進校の特別募集生を対象とした支援として導入されましたが、特別募集生に限らず、誰でもいつでも何でも質問しやすい体制としています。担当の教員も全員に目を配っています。生徒は1人の教員のみで授業している場合は声をかけにくい時がありますが、2人の教員で授業を進めていれば声をかけて質問しやすい雰囲気となります。
2024年度の実施科目は以下となります。

  • 1年次
    現代の国語、数学I、物理基礎、化学基礎、英語コミュニケーションI、論理表現I、情報I、社会生活A、総合的な探究の時間
  • 2年次
    古典探究、数学II、英語コミュニケーションII、社会生活B、総合的な探究の時間
  • 3年次
    コミュニケーション英語III、情報の表現と管理、社会生活C、総合的な探究の時間

1年生の物理基礎の授業の様子です。授業においてもグループ学習により協働学習をすることで、相互理解を深めています。赤で示したT1,T2の2人の教員によるティームティーチング、T1による視聴覚教材提示、水色の楕円で示した小グループを指導している場面です。

ティームティーチングイメージ1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

習熟度別学習の導入

生徒一人ひとりの個性と能力を伸ばすため、習熟度学習を導入しています。数学や英語で、それぞれの習熟度に応じたきめ細やかな指導を行っています。習熟度クラスは「発展クラス」「標準クラス」「基礎クラス」で構成され、各クラスは学期毎に成績で分けられます。また、「基礎クラス」のみティームティーチングを実施しています。
 2024年度は以下の科目で習熟度別クラスを実施しております。

  • 論理表現
  • 英語コミュニケーションI
  • 英語コミュニケーションII
  • 数学I
  • 数学II

特別募集生の必修科目

本校の特別募集生は、自立に向けた資格取得やコミュニケーション力向上の科目や就業体験活動が毎年必修となります。必修科目ですので進級・卒業に関わる単位となります。

  • 社会生活(週2時間)
  • 仕事(インターンシップ・集中講座)(夏休み5日間)

全般的な体制について

学校としての城郷高校

  • 学年制による全日制普通科
  • 3学期制
  • 高等学校学習指導要領に基づく学習
  • 卒業時に高等学校卒業資格取得

城郷高校_春バナー

 

 

 

 

 

 

クラス編成

  • 1クラス36~38名(令和6年度は6クラス募集、特別募集21名)
  • 1クラスに特別募集生が2~3名
  • 「担任」「支援担任」「副担任」の複数担任制。各学年に「学年リーダー」「支援リーダー」生徒と職員2

リソースルームの設置

  • 各学年に1部屋ずつ設定リソースルーム
  • 特別募集生の必修科目「社会生活」の学習スペース
  • 特別募集生の休憩・自習用のスペース
  • 特別募集生を中心とした個別・少人数学習用スペース
  • すべての生徒の面談等スペース

 

特別募集生のカリキュラムと支援について

社会生活

自立に向けた学習や、社会人としてのマナーを学習していきます。本校では資格に重点を置いています。資格取得がゴールではなく、その過程で自分の得意不得意を把握し、支援を求めたり修正できるようになることを目的としています。また、ソーシャルスキルについて学び、学校生活がより円滑になるように学習しています。

仕事

主に夏休みなどに集中講座を5日間行います。内容はインターンシップや企業見学となり、社会に出ていくためのマナーや知識・技能を体験して学びます。県内の企業の協力によって成り立っており、就職にもつながる重要な講座になります。自立に向けての大きな成長の場になります。

個別教育計画の作成

個別教育計画を活用し、各科目での目標や手立てを生徒・保護者と設定しながら単位修得を目指します。(中学校・支援学校から引き継がれた各自に応じた教育計画も含みます。一般募集の生徒とは異なる評価基準となります)

特別募集について

特別募集の対象となる人

特別募集生は以下の要件を満たす人を想定しております。

  • 知的障がいがある人(療育手帳は必須ではありませんが在学中に取得を推奨します)
  • 学級等集団での学習及び生活が可能な人
  • 公共交通機関等を利用して自力での通学や校外学習活動への参加が可能な人
  • 本校が実施する中高連携事業(学校説明会、授業見学)に参加し、高校での学習や生活を理解し、入学意欲のある人
  • 自分の障がいを受容し、将来の自立に向けて、学校生活へ適切かつ積極的に取り組める人

クラス風景001

 

 

 

 

 

 

 

 

本校の特別募集に向いている人

  • 基本的生活習慣が確立しており、毎日登校している
    (欠席・欠課が多いと進級できません。また、長欠や起立性障がいがある場合、登校する習慣が確立していないと厳しい)
  • 本人・保護者が障がいを正しく受容している
    (知的障がいを隠そうとせず、一般募集生徒とは別の教科「職業」の科目「社会生活」「仕事」を受けられる)
  • 学習支援・進路支援に対する素直さを持つ
    (「参加」からスタートし、「理解」できるよう取り組み、わからないことに対して先生や友人からの助けを素直に受け入れられる)
  • 学校で必要なコミュニケーション能力を持つ
    (みんなと一緒に話し合ったり発言ができ、人の意見を静かに聞き、自分の意見を発表できる)

やる気

 

 

 

 

 

 

 

特別募集(インクルーシブ教育実践推進校)についてよくあるご質問

インクルーシブ教育実践推進校について

Q01 インクルーシブ教育実践推進校は、特別支援学校・クリエイティブスクール・通級の高校と、どのような違いがありますか?
A01

神奈川県のページ「新しい学びのかたちから高校をさがす」より抜粋
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/tokushoku/hsw/keyword.html#creative(外部サイトへリンク)

学校 特徴
インクルーシブ教育実践推進校 知的障がいのある生徒が高校教育を受ける機会を広げながら、全ての生徒が共に学び相互に理解を深める教育に取り組む学校です。
クリエイティブスクール 一人ひとりが持っている力を必ずしも十分に発揮できなかった生徒に対して、これまで以上に学習意欲を高める取組を行う学校です。
通級による指導導入校 発達障がい等のある生徒が、大半の時間は通常の学級で学びながら、必要に応じて別の教室で障がいに応じた特別の指導(自立活動)を受ける「通級による指導」に取り組む学校です。
特別支援学校分教室 特別支援学校で県立高等学校内に教室が設置されています。特別支援学校への就学基準に達したさまざまな障がいのある生徒のうち、自力通学が可能で、集団活動中心の学習が可能な生徒を対象として、個別教育計画を作成し個別のニーズに応じた教育を行います。

詳細は、神奈川県のインクルーシブ教育推進課のページ、神奈川県教育委員会のページをご覧ください。

入学について

Q02 学校生活を送るうえで必要な条件はありますか?
A02

本校は全日制普通科として開校しており、教室・施設などのハードは身体健常者を前提にデザインされています。一般募集生と共に身体的な支援なしで、教育活動や学校生活の中で合理的配慮に基づいた支援を受けて、相互理解を深めていくことが望ましいです。

 

Q03 通学で必要な条件はありますか?
A03

通学は基本的に特別募集生一人で公共機関等を利用して行ってください。万が一の緊急事態発生時に一人(支援なし)で自宅または避難場所へ移動できることが前提です。必要に応じて、入学決定後にラッシュも含めた通学の練習を各ご家庭でお願いします。
また、公共交通機関の乱れや休止に柔軟に対応できるよう各ご家庭で現地踏査を通した確認をしてください。

 

Q04 障がいに関する手帳を持っていませんが入学条件にありますか?
A04

本校は障がいに関する公的な手帳がなくても入学できますが、学力面を重視しない特別選考で入学し、一般入試で入学した生徒とは異なる個別教育計画に沿って評価(成績)が出されるため、進学や就職時に発行する調査書には「本生徒の教科・科目の学習評価については、個別教育計画を参考に個人内評価の考え方を踏まえ、目標に準拠した評価による観点別学習状況の評価に基づき行った」の一文が記入されます。
そのため、高卒で就職する場合、障がいに関する手帳がないと苦労することが多く、卒業後に障がいに関する公的な支援を受けることもできません。本校では以上の理由から、障がいに関する手帳の取得を強く推奨しております。

 

学校生活について

Q05 特別募集生に関する支援はありますか?
A05

特別募集で入学した各生徒の個別教育計画を作成し、これに基づいて授業・学校生活全般の支援を行います。本校では、担任と支援担任、各学年の支援リーダー、学年の教員、教科担当教員、研究推進グループの担当教員を中心に情報を共有し、丁寧に対応するための支援体制を構成しています。生徒個人個人により必要とする支援が異なるため、年に数回ある三者面談などで生徒・保護者と教員が相談することでより良い高校生活が送れるように支援を続けています。

 

Q06 特別募集生が必要に応じて使用できる空間はありますか?
A06

各学年毎に1室、リソースルームを設定しています。リソースルームは特別募集で入学した生徒が中心に使うようにしています。「社会生活A,B,C」の授業はここで行い、特別募集生がほっとしたいとき・離れて一人でいたいとき・気持ちを落ち着かせたいとき・先生に相談したいとき・勉強を教えてもらうときなど使えるようにしています。

 

Q07 学校やクラスになじめますか?
A07

生徒全員が充実した高校生活を送れるよう、本校ではすべての生徒に対して相互理解教育を行います。そのような中で、学習支援・進路支援に対する素直さを持つことが必要となります。

  • 学習目標に対して「参加」からスタートして段階的に「理解」できるように取り組もうとする
  • 授業中わからない時や卒業後の進路について、教員からアドバイスやクラスの仲間からの助けを素直に受け入れられる

特別募集で本校へ入学した多くの生徒はクラスで一般募集生と一緒に過ごしています。また、部活動に入部した特別募集生は多く、他に委員会活動や学校行事でも活躍しています。そのため、以下のようなコミュニケーション能力を持つことが望まれます。

  • みんなと一緒に話し合ったり、発言ができる(特性に応じて)
  • 人の意見を静かに聞いたり、自分の意見が発表できる

 

学習について

Q08 入学に際してどのくらいの学力が必要ですか?
A08

特に基準は設定しておりません。一人ひとりの生徒の状態は多様なので、以下の事項を重視します。高等学校の教育を受けたいという強い意志と、全日制普通科高校の学級の一員として学ぶ意欲を持ち、卒業後の進路目標に向けて積極的に取り組む生徒を期待しています。

 

Q09 学習面での支援はどのように行っていますか?
A09

ティーム・ティーチングや少人数指導など、授業内で個別の支援を行っています。令和5年度は、国語、数学、理科、外国語、情報、社会生活でティーム・ティーチング授業を行っています。また、課外での補習等を行うこともあります。ただし、本来の授業と別内容の授業を別室などで個別に行うことはしていません。個別教育計画を作成する中で生徒・保護者とも相談し、個人個人にあった学習目標を設定し、その達成に向けた指導・支援を行っています。

 

Q10 授業についていくのが難しいとき、別室で個別に教えてくれたり、先生とマンツーマンで教えてもらえますか? 授業の内容や課題は、一般募集の生徒と異なりますか?
A10

本校では、すべての生徒が共に学び理解しあうインクルーシブ教育をおこなっていますので、同一の教室で、同一の内容を学んでいます。特に別内容または別室での授業は行っていません。ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、すべての生徒が共に理解し、理解する過程の中で楽しく学習できるよう授業を構成するように努めています。また、学習到達度別の課題の選択・授業目標の選択などを授業内に行うことで、個別の学習目標に沿った指導を行っています。

 

Q11 特別募集生が必修となる「社会生活」とはどんな授業ですか?
A11

社会生活」は特別募集生が受ける必修科目です。この科目は各学年で週に2時間あり、この時間だけ一般募集の生徒と別の授業になります。一般常識や挨拶・礼法など社会性に関することから自己理解まで幅広く学びます。また、清掃技能検定などの資格取得を目指す中で自分の特性や性格と向き合い、将来の進路等につなげます。また、夏休みを中心に設定する「仕事」はインターンシップ実習を行う必修科目も「社会生活」と連動しています(Q15参照)

 

Q12 習熟度別少人数指導はどのように行われていますか?
A12

本校では以前より一部科目で習熟度別の授業(2クラスの生徒を3クラス、または、1クラスの生徒を2クラスに分割する授業)を行なっておりました。現在、科目を拡大して、英語と数学の数科目で実施しております。クラスによってはティーム・ティーチングを入れ、指導をより厚くできるようにしております。
なお、特別募集生でも得意な科目では習熟度の上位クラスに所属するケースもあります。今後、生徒の学習状況等を確認してより効果的な学習環境を模索します。

 

定期試験等について

Q13 テストにおける配慮はありますか?
A13

テストの内容は、すべて統一です。個別の問題・問題数の変更など、内容に関する個別の対応は原則として行っていません。インクルーシブ教育実践推進校としてユニバーサルデザインの視点を考慮し、テストの内容も全生徒に配慮して作成しています。内容以外の個別対応で配慮したのは次の2点です。

  1. ルビ振り
  2. 別室受験

 

進路について

Q14 卒業生の進路先にはどのような例がありますか?
A14

実践推進校パイロット校(3校)の卒業生の進路は、進学、職業訓練機関、就職、福祉サービスとさまざまです。本校では、生徒の希望に沿えるよう、3年間をとおして「社会生活」「仕事」の授業を中心に、進路指導・支援を進めています。

34期生: 一般雇用1名、特例子会社2名、就労4名、就労移行支援4名、大学・短大2名、専門学校2名、未定1名
35期生: 一般雇用0名、特例子会社2名、就労3名、就労移行支援0名、大学・短大4名、専門学校6名、未定1名

 

 Q15 仕事」では、どのような学習をするのですか?
A15

仕事」は夏休みを中心に行う通常授業時間外の必修授業となります。卒業後、自分の生活維持のために働くことを前提に、近隣の企業等で職業体験を行なっております。事前・事後指導を含めたいわゆるインターンシップで、特別募集生が自分の将来をイメージして就職・進学ができるようにするための授業となります。本校が認めた、大学や専門学校がバックアップする職業体験等も含まれます。また、高卒で就職する場合は就職先を決定する大きな一助となります。

 

 Q16 (企業様向け)採用に関して、進路活動やスケジュールはどのようになっていますか?
A16

進路のページ(特別募集生の進路活動)を参照ください。

問合せはインクルーシブ教育実践進路担当までお願いします。