更新日:2021年12月3日
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令和3年11月10日(水)放課後、本校生物室にて、深津武馬・産業総合研究所主席研究員・東大・筑波大教授による生物学特別講座「共生の世界・生物はひとりで生きているんじゃない」がリモートで行われました。参加生徒は1・2年の希望者17名でした。
多くの昆虫は微生物と共生しています。写真のアブラムシは緑色ですがある微生物が共生すると赤色になります。赤色のアブラムシは寄生バチに寄生されにくく緑色のアブラムシはテントウムシに食べられにくいのです。アブラムシは、寄生バチが多い場所では微生物を共生させ生き残ろうとしているのです。写真のマルカメムシは大豆の葉を食べる害虫ですが、タイワンマルカメムシは食べません。共生微生物を入れ替えるとマルカメムシが大豆を食べなくなり、タイワンマルカメムシが大豆を食べるようになります。キチョウにある微生物が共生するとメスになります。この微生物は、メスに寄生すると卵に入り次の世代に引き継がれますが、精子には入れないためにオスでは引き継がれません。宿主をメスに変え生き残ろうとしているのです。このように、共生微生物は宿主の形態や行動さらには遺伝子にも影響を与え共に進化してきたのです。
質問:どのような昆虫に共生微生物が多いのですか?
回答:ゲテモノ食いの昆虫です。例えば血を吸う昆虫など。エサが偏っているので不足する栄養素を供給する微生物を共生させていることが多いと考えられます。