ひとこまコラム リターンズ

 毎月1回、会員が書くコラムが復活しました!
 本の紹介や本と人、人と人とをつなげるエピソードなど、学校図書館の日常の一コマを切り取ったコラムです。
 学校図書館の様子を覗いてみてください。

☆コラムで紹介している書籍の表紙画像は、 出版社の許可を得て掲載しています。


※「ひとこまコラム」のバックナンバーはコチラ
※※「ひとこまコラム リターンズ」のバックナンバーはコチラ

ひとこまコラムリターンズ 第86走者

怪我の功名 2025/12/02更新

『完璧な彼女が死にました』
『完璧な彼女が死にました』
  此見えこ【著】
 スターツ出版
 (2025.05)

 「先生、図書だよりで見た本をさがしているんですけど!」
 普段あまり図書館に来ないような生徒から声をかけられました。
 「どんなやつ?」と聞いてもタイトルも特徴もうまく出てこないようだったので、こうなったらしかたない、とりあえず生徒の雰囲気から偏見で決め打ちをすることに。
 「恋愛系?」「女の子のイラストが大きく書いてあるやつ?」などと聞きながら、『すべての恋が終わるとしても 140字の恋の話』(冬野夜空著,スターツ出版,2022)を出したところ「すごい!これです!なんでわかったの!?」と喜び、貸出しへ。
 自分も少し得意げになっていたのですが、後日返却に来館したときに「先生、これじゃなかった」とのこと。「ちがうんかーい!」となったものの、こちらも楽しんでくれたようでした。
 なお本当に探していたのは『完璧な彼女が死にました』(此見えこ著,スターツ出版,2025)だったらしく(表紙のイラストレーターが一緒)、次はそちらを貸し出しました。この本は、浴槽で死んだ紗子の死の原因をさぐる中で、幼馴染であった侑と親友だった小春が彼女の内面や、互いのことを知っていく切なさのある話です。間違って貸出しをした『すべての恋が終わるとしても』も短いながらも切ない恋の話ですので、ここぞとばかりに似た雰囲気の本をいくつか紹介したところ、「次借ります!」と言ってくれ定期的に図書館を訪れるようになったのは怪我の功名だったのかなと思います。


<昆>
ホームに戻る