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更新日:2024年4月8日

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校長より

~やがて大樹になるために~

 本校は1969年に全日制普通科高校として港北区大倉山(旧太尾町)の地に誕生し、「生徒の優れた能力を見出し、それを伸ばす学校」という教育理念を柱に、明朗で活力のある生徒が集う学校として歴史を重ね、今春、56期生を新入生として迎え、全学年26クラス1,026名で新しい学期をスタートいたしました。これまでに1万8千名を超える卒業生を輩出し、数多くの卒業生が各界で様々な活躍をしております。 

 生徒たちは鶴見川のほとり、豊かな水辺の環境の中で、保護者の皆様や地域の方々に温かく見守られながら学習活動や学校行事、部活動、委員会活動にと、日々充実した学校生活を送っています。 

 本校の校歌に『やがて大樹になるために』という一節があります。これは、初代校長の「一つでもよい。自分の優れた能力を見出して、その芽を伸ばせる学校にしてみたい。」という創立時の教育理念を大切にし、56年経った今でも本校のスローガンとして受け継がれているものです。

 大樹といわれる大きな木も、もともとは小さな苗木だったのです。やがて大地にしっかりと根を生やし、枝葉を付け、強い風にも負けないよう、さらに深く長く根を伸ばし、長い年月をかけて大きく成長するのです。

     『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く』


 この格言は、オリンピックの女子マラソンで日本人選手として初めて金メダルを獲得した高橋尚子さんが、高校時代の恩師から送られた言葉だそうです。

 根っこを長くするためには、花が咲かない時期もありますが、根がしっかりしている木には、いつか大きな満開の花が咲くということを意味しています。たとえすぐに結果がでなくても、諦めずに努力をしていれば、花は必ず咲きます。

 また『ローマは一日にして成らず』という言葉もあります。

 大きなことを成し遂げるには時間がかかるという意味です。ローマは、イタリアの現在の首都・ローマではなく、「ローマ帝国」を指しています。古代ヨーロッパ最大の帝国といわれたローマも、築くまでには約700年という年月がかかりました。

 人生の中で大きな夢を叶えるためには、長い年月がかかります。その間、幾度となく障壁に阻まれ、挫折しそうになることもあると思いますが、挑戦し続けた者だけが、最後に夢を掴み取ることができるのです。

 誰よりも自分自身の可能性を信じ、これだけは誰にも負けないという能力を見つけるとともに、高校生活のあらゆる活動を通して、自分の根、そして枝葉に十分な知識や技能という養分を与え、大樹に成長していけるよう願っています。

  令和6年4月 

校長 坂本 聡志