更新日:2024年11月22日
ここから本文です。
アイキッズルームはおひとりおひとりに合わせたあそびの場です。見えない、見えにくいお子さんの成長や日常生活に関すること、学習の基礎になる活動に、一緒に取り組んでいきませんか。
<<23号>>
2024年 11月
~室内環境を整える~
見えにくさのある子どもでは、生後5か月程度から現れる手を伸ばして物を触ろうとする行動が遅れて10ヵ月頃から現れる傾向があります。「何の音だろう?触ってみたいな。」と興味を持ちはじめたら、できるだけ音のする方向に移動しようとしたり、手を伸ばして触ることができたりするようにしてあげたいものです。実際に体を動かして楽しい経験ができれば、それは身体や運動機能の発育や知的発達にも良い影響を与えます。
楽しい経験ができるためには、まずは安全に過ごせることが大切です。見えにくさのある子どもの中には、運動することを怖がったり苦手意識を持っていたりすることがあります。そうした気持ちを強くしてしまわないように、安心できる遊びを徐々に広げていきます。
例えば、
子どもにとって手を伸ばしたい、そっちに行きたいという気持ちを起こさせる工夫として、好きな音楽や歌など耳からの情報に訴えたり、ピカピカ光るといった周囲の色などのコントラストがはっきりした情報を提示したりしてみます。また、ふわふわする触り心地だったり、逆にざらざらするものだったり、五感をフル活用して好きな体験を増やしていきます。さらに、おもちゃの収納場所を固定すると自分で取りに行きやすくなります。好きなことがたくさんあればあるほど、力を伸ばす機会も増えます。そして何より、子どもの笑顔も増えていきます。子どもの笑顔は、私たち大人にとって心の栄養となり、もっとやってみようという意欲をかき立ててくれます。子どもが怖がることなく安全に過ごせる環境を整えつつ、大好きな活動と笑顔が増えていくことが楽しめるといいですね。
<参考文献>
青柳まゆみ・鳥山由子編著 2020 「新・視覚障害教育入門」 ジアース教育新社
猪平眞理 編著 2018 「視覚に障害のある乳幼児の育ちを支える」 慶応義塾大学出版会
神奈川県立平塚盲学校~乳幼児教育相談<アイキッズルーム>
月~金:10時00分~12時00分、14時00分~16時00分
0463-31-1341
「乳幼児教育相談の申し込み」と電話でお伝えください
担当(下原・小川)が対応いたします。
<来校相談、訪問相談について>
0歳から5歳児までの見えない、見えにくさのあるお子さんとその保護者、関係者が対象です。
・来校相談では、月に1回程度、遊びを通して、見ること・身体を動かすこと・操作することなどに取り組みます。日常生活に関することや、歩行・視覚補助具の使用・文字や点字の基礎学習に向けての活動に取り組むこともあります。
・通園先や、保健センター等への訪問相談、電話でのご相談も随時受け付けています。
・相談に関する費用はかかりません。
<ご相談内容の例>
〇保護者の方から
お医者さんに「見えにくさがある」と言われたのですが、ちょっと話をきいてもらえますか。
見えにくいお子さんやその保護者の方に会える場が少なく、なかなか一緒に話ができないです。
お医者さんに、目のことについて言われています。そちらでは、どのようなことをするのですか?
保育園に入りたいと思っています。どうでしょうか。
幼稚園に通っています。どのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
この学校の幼稚部では、どのようなことをしていますか。
〇教育・療育の関係者から
見えにくさのあるお子さんの療育や教育、今後どのように関わっていったらよいかなどについて話を聞きたい。資料などもあったらほしい。
視覚障害についてHPを見るくらいしか情報がない。具体的に話が聞きたい。
0463-31-1341(職員室)
乳幼児教育相談担当
<こどものまなざし1号>(PDF:217KB) <こどものまなざし12号>(PDF:391KB)
0歳児、赤ちゃんから年長さんまでの相談 見えにくさ以外の課題を併せ有する子どもへの対応
<こどものまなざし2号>(PDF:415KB) <こどものまなざし13号>(PDF:381KB)
子どもの興味を引く 触る力を上手に育てる
<こどものまなざし3号>(PDF:443KB) <こどものまなざし14号>(PDF:352KB)
触る経験を増やして、世界を知りたい気持ちを高めていく 音など視覚以外の感覚を手がかりに環境を把握する
<こどものまなざし4号>(PDF:443KB) <こどものまなざし15号>(PDF:405KB)
土台となる体験を増やす 身の回りの世界をどんどん広げていく準備
<こどものまなざし5号>(PDF:391KB) <こどものまなざし16号>(PDF:411KB)
遊びを広げる 子どもと一緒に触れて体験する
<こどものまなざし6号>(PDF:368KB) <こどものまなざし17号>(PDF:505KB)
描く経験を増やす 敏捷(びんしょう)性やしなやかな体の動きを身につける
<こどものまなざし7号>(PDF:375KB) <こどものまなざし18号>(PDF:505KB)
一緒にやってみようか! 眼鏡に慣れていく
<こどものまなざし8号>(PDF:418KB) <こどものまなざし19号>(PDF:403KB)
音声や手指で触ることなどを頼りに歩く すっきり、シンプルなプリントが見やすい
<こどものまなざし9号>(PDF:392KB) <こどものまなざし20号>(PDF:381KB)
文字・点字学習を始める準備 視覚、そして足元の感覚を大事に活用して歩行する
<こどものまなざし10号>(PDF:373KB) <こどものまなざし21号>(PDF:381KB)
子どもの自立を願い、笑顔を共有する 読み書きに備えた遊び
<こどものまなざし11号>(PDF:368KB) <こどものまなざし22号>(PDF:387KB)
地域に出向いて支援する 地域に暮らす見えにくさのあるお子さんとの関わり