更新日:2020年9月23日
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この講座はこれからの時代に必要に求められる「新しいリーダーシップ」の育成を目指して行う夏期講座です。
この講座の特徴は、patagonia日本支社・早稲田大学「大隈塾」(正式講座名:「たくましい知性を鍛える」)の全面協力のもと、企画・運営・実施を行っている、本校でしか体験できない講座という点です。
今年度はpatagonia日本支社が取り組む長崎県の石木ダム問題を通じて、「新しいリーダーシップ」の実践を目指しました。
今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止にともない、web会議サービスのzoomを利用したオンラインでの実施をしました。
「リーダーシップ」と聞くと、多くの人を束ねるカリスマ、あるいは権限を持った人が発揮するものというイメージが強いですが、「新しいリーダーシップ」は、権限によらず誰でも発揮できるものとされています。
①目標共有、②率先垂範、③同僚支援という「リーダーシップの最小三要素」を実践することで、誰でも発揮することができます。
1980年代以降のアメリカでは、権限のある人がリーダーシップを発揮するだけでは、環境変化に即応したり、逆に変化やイノベーションを起こしたりできないことが明らかになってきました。そこでこの「新しいリーダーシップ」が注目され、現在では他の地域でも支持され、世界標準となっています。
1日目は、大隈塾の学生による「新しいリーダーシップ」についての講義と実践、パタゴニア日本支社環境・社会部 アクティビズムコーディネーターの中西悦子氏による「パタゴニアについて」の講義・長崎県の石木ダム問題の紹介を行いました。
早稲田大学「大隈塾」の学生による講義
パタゴニア日本支社 中西氏による講義
石木ダム問題の紹介
2日目は午前中にパタゴニア日本支社の前支社長であり、石木ダム建設問題について取り組む「いしきをかえよう」プロジェクトの発起人である辻井隆行氏を講師に迎え、石木ダム問題についての講話・グループワーク、質疑応答を行いました。
辻井前支社長の講義では、グループワークを交えて自身の経験を踏まえながら、行動を起こすための考え方などを優しい語り口と鋭い視点でご紹介いただきました。
辻井前支社長の講義
午後は、石木ダム公開討論会を求める署名提出の際の記者会見に高校時代に参加した、佐世保市在住の大学生荒岡梨乃さんとのディスカッション、本講座のまとめとして「手紙を書くワーク」の準備を行いました。
ディスカッションの様子
3日目は午前中に手紙の作成と発表を行い、午後はリフレクション(振り返り)を行いました。
石木ダム建設事務所の方、長崎県・佐世保市の方、大隈塾の学生など、それぞれの生徒で異なる宛先があげられました。また、書かれた内容も漠然とした内容だけではなく、3日間の学びを踏まえながら感じたことや考えたことがつづられていました。
午後は3日間でどのようにリーダーシップ最小三要素を実践できたか振り返り、共有を行いました。
また、自分らしいリーダーシップを考え、今後どのように生かせるかを考えました。
自分らしいリーダーシップを考える活動
受講した生徒の感想を一部紹介します。
講義や体験を通して「新しいリーダーシップ」について知ることができたという声が多くありました。
また、「リーダーシップは1人が周りを引っ張るものだと考えていたが、そうではないことを知った」との声が多くありました。
〇 受講前までは、リーダーはメンバーを率先して引っ張っていくもので、また、その人数は絶対に一人でなければいけないと思っていました。
ただ、今回のリーダーシップ論についてのディベートを行ない、リーダーは何人いても良いということを知りました。また、リーダー1人が頑張らなければいけない訳ではないということも学びました。
〇 受講前と受講後で変わったことは自らが率先的に行動することで変わることがあるということです。
誰かがやってくれる、ではなく私がすることでこう変わると思って行動していきたい。
〇 リーダーシップと聞くと1人が前で声を出して引っ張っていくイメージでしたが舞岡塾で「何人いてもいいんだ、影で支えていくのもリーダーシップなんだ」と気付かされました。
また舞岡プロジェクト(総合的な探究の時間)などではいつもグダグダしながら話し合うことが多かったですが舞岡塾後の舞岡プロジェクトでは自ら沢山の意見をいいグループで濃い話し合いをすることが出来ました!
3日間だけでこんなに変われたのだと実感することが出来ました。これからも生活していく上でリーダーシップを発揮していきたいです!
本年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため夏期講座の開催そのものが危ぶまれていた状況でした。
そのような中でもパタゴニア日本支社の中西氏、早稲田大学大隈塾の村田客員准教授のご協力のもと、従来の形から一変させてzoomでの開催としました。
コロナ禍でも学びを止めないことを目標に、昨年までの形からさらに発展させることを三者で共有できたことが今回の実施につながりました。
また、高校生だけではなく大学生にとっても学びの場とするために、内容の大枠は三者であらかじめ決定したものの、内容の詳細や当日の運営は大学生を中心に行いました。
今回協力いただいた大学生は、昨年・一昨年の学生同様非常に精力的に企画・運営を行っていただき、今回の夏期講座実施には欠かせない存在でした。
生徒の発言や行動の中から、生徒の成長・変化の様子を見とり、さらなる成長を促す声かけは学ぶものが非常に多くありました。
生徒からは、「ぜひ来年も受けたい」といった声や、「今後の学校生活の中でいかしたい」といった声がありました。昨年に比べて前向きな感想が多く寄せられました。
zoomを用いた新しい探究型学習の形を発見し、今後の本校の教育活動につながる機会となった本年度の夏期講座でした。
夏期講座「舞岡塾」の取り組みがメディアで紹介されました。
〔テレビ番組〕
ジモト応援!神奈川つながるNews~横浜・鎌倉・横須賀~ (J:COM南横浜)
2020年8月11日(火) 18時00分~
〔新聞〕
タウンニュース戸塚区版 2020年8月20日号
『舞岡高校 「新しいリーダー」を育成~早大・企業と初連携講座~』
https://www.townnews.co.jp/0108/2020/08/20/538893.html
神奈川県立舞岡高等学校
担当教諭:野澤 大地
住所:〒244-0814 横浜市戸塚区南舞岡3-36-1
電話番号:(045)823-8761
FAX:(045)825-3573