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更新日:2023年9月1日

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令和5年度1学期 終業式 校長講話

 ウルトラマン
「超える人になろう!!」・・・何かをつかむ夏に

みなさん、おはようございます。

今年の暑さ。皆さんはもう慣れましたか?

昨日の壮行会に続き、本日は大変多くの生徒への表彰の機会を持つことができました。そして、今学期最後の日です。

今学期は、部活動の各大会での活躍をはじめ、体育祭などでも、皆さんの頑張りがありました。その瞬間瞬間で、目標に向かって自らの力を発揮し、また仲間と心を一つにして立ち向かっていくその姿に、皆さんの底力と大いなる可能性を感じました。厚木東の目指す3つの力の一つに「人間力」というものがありますが、まさに皆さんが示したその姿こそ、この力の現れではないか、と感じています。

さて、先日私は、「生成AI」や「チャットGPT」についての講演を聞きました。すでにこれによって作られる文章や画像・映像等は、「人間が作ったものかどうか?」を一見して判断できるものではないほどのクオリティーなんだそうです。

でも…、こうも言われました。

「生成AIはあくまでコンピュータ。つまり言葉や知識の計算機であって、新たな創作はしない。」

勿論膨大なデータの中から、最大公約数的に創作してきますから、「人間が気付きにくいもの」であり「新たなアイデア」っぽい。でもそれとて「人間が考えてきたもの」の中からの産物に過ぎないのだそうです。

そこで、思い出したものが一つ。

私の子供の頃のヒーローに、「ウルトラマン」があります。ウルトラマン

丁度私が生まれた年(ちなみにこの年は本校が今の場所に移った年でもあります)に放映を始め、現在でもシリーズが続いています。

概ね1年間続く中で、比較的よく取り上げられるテーマに

「偽のウルトラマンとの闘い」

がありました。ロボットだったりする相手は、それまでのウルトラマンの行動パターンをすべて習得し、当初ウルトラマンは負けます。強敵です。自分と戦うようなものですから…

でも、最後は勝つんです。それはなぜか…?

気づくんです。相手はしょせん「過去の自分だ」ってことに。

ウルトラマンがそれに気づき、正に自分を「超越(ウルトラ)」しようとしたとき、勝機が生まれるのです。

日常に戻してみましょう。AIに即座にかなわなくとも、「過去の回答集」を超える思考ができれば、それは、「将棋の藤井聡太7冠がAIに勝つ」なんてことがある。新しい発見や違った行動は、人間が、自然が生み出すものなのです。

皆さんの様々な「学び」も同様です。

例えば、学校の授業で様々な知識を得る。歴史の授業でなくても、例えば数学の解法だって、スポーツの技術だって、それは「過去の人が試した例」なわけで、それを蓄積することで、私たちは「似たような、でもどこか違う場面」で「答えを導き出せる」ようになる。

受験勉強で過去問を解くのと、似てますよね。過去問の答えを丸暗記しても意味がない。でもそのトレーニングの結果が、次の発見の足掛かりになる。

明日からの夏休み。皆さんにはそれぞれ自分の興味・関心ややり方で、「何かに挑戦し、何かをつかんで」来てほしいと思います。その経験の蓄積が、きっと皆さんの思考や行動の幅を広げてくれるはずです。

ルールは一つだけ。「真剣に取り組むこと」。

8月25日には、その経験を胸に、少し逞しくなった皆さんの顔を見ることができることを楽しみに、私の言葉とします。