更新日:2025年3月29日
ここから本文です。
神奈川県立金沢文庫は、鎌倉幕府の重鎮として活躍した金沢北条氏創設の「金沢文庫」に起源をもつ歴史博物館です。
隣接する称名寺に伝来した国宝「称名寺聖教・金沢文庫文書」(約2万点)をはじめとする、中世の歴史や文化を伝える貴重な文化財を保管しています。これらの文化財の調査研究を行い、その成果を展覧会や講座、講演会などで公開しています。
(国宝 北条実時像 鎌倉時代 称名寺所蔵)
鎌倉時代のなかごろ、北条氏の一族(金沢北条氏)の北条実時が武蔵国久良岐郡六浦荘金沢(現、横浜市金沢区)の邸宅内に造った文庫がはじまりです。創設時期ははっきりしませんが、実時晩年の建治元年(1275)ごろと考えられています。蔵書の内容は政治、文学、歴史など多岐にわたるもので、収集の方針はその後も顕時、貞顕、貞将の三代にわたって受け継がれました。
元弘3年(1333)、金沢北条氏は鎌倉幕府滅亡と運命をともにしましたが、以後、文庫の蔵書は隣接する菩提寺の称名寺によって管理され、近代に至りました。
(写真:平成元年まで称名寺境内にあった神奈川県立金沢文庫旧館)
明治時代には、初代内閣総理大臣・伊藤博文の支援により、称名寺の塔頭・大宝院の境内に「金沢文庫」が建てられました。しかし、その建物は大正12年(1923)の関東大震災により倒壊してしまいました。
その後、「金沢文庫」は実業家・大橋新太郎の助力によって、昭和5年(1930)に称名寺境内に展示室と収蔵庫を備えた建物(旧館)が建てられ、神奈川県の施設となりました。平成2年(1990)には、称名寺境内から現在の敷地に移り、リニューアルオープンしています。
神奈川県立金沢文庫は中世の歴史や文化を伝える文化財や、神奈川県の郷土資料などを収蔵しています。詳しくは「神奈川県立金沢文庫の収蔵資料」のページをご覧ください。