入学式

更新日:2021年4月19日

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入学式

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校長あいさつ

桜の花びらが、そよ風に運ばれ、春の息吹に、心和らぐ季節となりました。

今年は、桜の開花が早く、グランドの桜の古木は残念ながら葉桜となってしましました。しかし、皆さんのこれからの高校生活を象徴するように新緑の若葉が勢いよく、芽吹き、成長しはじめております。

今回、感染予防対策のため、皆様にとって大切な入学式を各家庭1名の参加としなければならないことを皆様、保護者の皆様には大変申し訳なく思っております。このような時だからこそ、新しい出会いを大切にし、思いやりを持って、皆さんで気持ちを一つにして、新しく始まる高校生活を前向きに送れるよう、コロナと共存し、この局面を乗り切っていただきたいと思います。

ただいま入学を許可いたしました、317名の皆さん、改めまして、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。

担任より、呼名を受け、恥ずかしそうに返事をして立ちあがる姿を見て、高校生らしい、さわやかな印象を受けました。

昨年は、新型コロナウィルス蔓延の影響で、中学校生活、最後の年に、学校行事や部活動の大会もなくなり、本当につらく、苦しい1年間となったことでしょう。我慢した分、今日から始まる新しい高校生活で、思いっきり、自分のやりたいことにチャレンジしてください。

皆さんは49期生です。旭高校に関わるすべての方々を「旭ファミリー」と呼ばせていただいております。皆さんも保護者の皆様も、今日から旭ファミリーの一員です。私たちは、皆さんの夢の実現を全力で応援します。

最近感じていることは、コロナ禍で、人と人の距離が近くなった気がします。おうち時間が増え、家族のきずなが強くなったり、社会でもエッセンシャルワーカー(医療従事者)などへ支援やねぎらいの言葉が多く聞かれます。もしかしたら、神様が、現代社会が殺伐とし、人間関係が希薄になりかけているから、このパンデミックで、もう一度、人への思いやりや大切なひとへの思いを見直す機会を与えてくれたのかもしれませんね。

皆さんは、「情けは人のためならず」という言葉をご存じですか。高校生に聞くと65%くらいの生徒は、「人に情けをかけるとその人のためにならないからよくない」と答えます。実は、真逆ですね。「人に情け(思いやり)をかけると、めぐりめぐって、自分のところに返ってくる」だから、人には、情けをかけなさい。(思いやりをもって接しなさい)という言葉です。人のためではなく自分のためなんです。皆さんは人のため、誰かのために動くことが、できますか。こんな時代だからこそ、誰かのために動く、それが自分のためになる。大切なことですね。

旭高校での3年間で、人にやさしくできる人、本当の思いやりを持った、いい大人になってください。

これからの時代、皆さんを取り巻く環境は大きく変わっていきます。大学入試制度が変わりました。来年4月からは18歳で成人になります。皆さんは、高校3年生で、もう成人です。社会で必要とされる人材も変わっています。いままでは、知識がある人が優秀である、社会に必要な人材であるとされていましたが、今は、「生きる力」が必要とされています。

では、「生きる力」とは何でしょうか。5つ力といわれています。

1つ目は、自分の考えをしっかり、人に伝えられる力。

自己主張ができる人、「○〇したい。」「○○したくない」とはっきり意思表示ができる人。

2つ目は、他者(仲間)と協力して課題を解決する力。

知らいない人や誰とでも共同作業ができる人。一人でできないことも仲間とやりとげることができる人。

3つ目は、答えのない問いに意欲的に取り組む力。

コロナ禍で先がわからない状況でも今できることを考え行動できる人。

4つ目は、自分の好き(得意)なことを深く探求する力。

好きなことに集中できる人。浅い知識ではなく、深い知識、スペシャリスト。

5つ目は、失敗を恐れず、スピーディに実行する力。

明日ではなく今、今日、動ける人。

流動的で多様性な時代をたくましく生きぬくために、社会で必要とされる人材の姿は大きく変容しております。この3年間で、今日の自分より、明日の自分。少しずつ成長し、5つの力を身につけていってください。そのためには、人に言われて、勉強する、部活をする、習い事をするのではなく、「自分はこうしたい、こうなりたい」など自分の目標やビジョンを持ち、高校生活をどう過ごすか、自分でデザインすることがとても大切となります。

まさしく、本校の校訓である「自主自律」です。

教室以外で学ぶこともたくさんあります。この3年間、学校行事や部活動、地域貢献活動、自分の好きなことに積極的にチャレンジしてください。

高校時代は1度しかありません。迷って止まっているのは、もったいないですね。皆さんのトライを応援します。

本日、晴れて旭校生になったお子様をわれわれ職員一同、精一杯育ててまいりますが、何より、ご家庭からのご理解とご支援が重要であります。家庭と学校が車の両輪となって、お子様の育成に携わっていきたいと考えております。

気になることなどがあれば、そのままにせず、ご連絡いただき、速やかに対応していくことで、3年後、ここにいる全員が、次のステージへ旅立てるよう一緒に努力して参りたいと考えております。保護者の皆様のご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

317名の皆さん、この「旭高校」で何を学び、どのような未来を描くのか、今日はそのスタートであります。一緒にがんばりましょう。

旭高校で皆様に出会えたことを感謝し、お祝いの言葉とさせていただきます。

 

令和3年4月6日

神奈川県立旭高等学校長広瀬邦彦