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更新日:2023年6月19日

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校長だより

Vol.2 【IB生がフェアトレードについて語る:関内でカフェとワークショップを開催】(令和5年5月16日)

4月30日(日曜日)、関内の泰生ポーチフロントで、本校国際バカロレア(IB)コースの生徒が、フェアトレードカフェ「はじめましての同窓会 ~ 語り合おう!フェアトレードについて ~ 」を主催しました。当日は、トークショーにシサム工房の牛嶋麻里子さんをお呼びし、カフェに集まった人たちがフェアトレードについて語り合うワークショップも行われました。今回のイベントを企画運営したIBコース3年次の生徒たちに話を聞きました。

はじめに、今回企画したイベントに「はじめましての同窓会」という名前を付けた理由を聞かせてください。

「私たち企画者の側から一方的にフェアトレードについて伝えるのではなく、参加者同士、また参加者と企画者の両者で、双方向のコミュニケーションを大切にしたいと思いました。しかも、議論のようなかしこまった感じでなく、まさに同窓会の雰囲気のように、昔から友だちだったかのようにワイワイ話し合いができたらいいなと思い、『はじめましての同窓会』と名付けました。」

フェアトレードカフェ

今回のイベントでは、「カフェ」と「ワークショップ」が大切な構成コンセプトになっていたように思います。フェアトレードについて「カフェ」と「ワークショップ」という2つのコンセプトを使ってテーマを深めようとしたのはなぜですか。

「カフェを選択したのは、カフェのような雰囲気でワークショップをやりたかったからです。その場にいる人がワイワイ気軽に話ができる場所をつくりたいと思いました。ワークショップにしたのは、参加者同士のコミュニケーションが取りやすいと思ったからです。また、牛嶋さんに講演していただいてからテーブル毎の話し合いにしたのは、フェアトレードの知識があってもなくても、講演を聞くことで一度同じ目線に立ち、共通の話題ができて、活発なディスカッションができると思ったからです。」

ワークショップの中で重要な役割を果たしたのが、みなさんの用意した「問い」だと思います。ワークショップに参加した方々が話し合う「問い」を立てる時、大切にしたことは何ですか。

「『フェアトレードに限らず自分が社会のためにできることは何か』などといった抽象的な問いをあえて提示して、フェアトレードに関する知識がある方もない方も意見をもってもらえるように意識しました。」

カフェチラシ

カフェには幅広い世代の一般の方々も来てくれてワークショップに参加してくれました。そうした学校外の様々な方の話を聞いて、何かあらたな気づきがあったら教えてください。

「アースデイ横浜などのイベントに参加し、環境問題の議論を聞いたとき、実際に活動している団体がどのような課題意識をもっているかを知りました。これは、私たちが活動を行うにあたって、どのような限界があるのか、それをどのように克服していけばよいのかを考えさせてくれました。また、みんなが知っていると思っていた「フェアトレード」ということばも、名前しか知らずにどんな活動かはわからない中学生と話した経験を通して、今後、自分が社会で人とコミュニケーションを取っていくとき、自分の憶測で物事を語らないことが重要だと感じました。」

最後に、今回のイベントを通して得たものは何ですか。

「今回のイベントでは、場所を貸してくれたLOCAL GOOD YOKOHAMAの小林さん、アドバイスをしてくれた大学生の方々、トークショー講師の牛嶋さんをはじめ多くの人と連携し意思疎通を図ったことで、コミュニケーションスキル、中でも、相手に情報を伝える力を得たように思います。担当ごとに、グループを作っていたのですが、グループで動くことによってイベントの全体像が見えなくなることを防ぐため、2週間に1回のペースで協力団体の方も参加するオンラインミーティングを開催し、随時自グループの報告と次にやることの確認を行いました。また、当日は中学生から社会問題の専門家まで、幅広い所属の方々にご参加いただくことで、自分の意見を述べつつ対話を試みるという貴重な体験をすることができたと思います。」

 

今回のイベントを通して、フェアトレードという言葉には、従来の「公正な貿易・公正な取引」といった意味だけでなく、「フェアな意見の交換」という意味もあるように思いました。これからも、学校外の幅広い世代の人と出会い、対等な立場で多様な他者と話し合い、自分の考えを広げたり深めたりしてくれればと思います。今後の取組に期待しています。

 

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