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更新日:2023年10月6日

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校長だより

Vol.6【IB卒業生に聞く ~IBに入る前と後 ~ 】(令和5年9月4日)

横浜国際高校(YIS)に国際バカロレア(IB)コースが設置されて5年目になります。今回は、この3月に卒業したIB2期生の卒業生に、YISのIBコースに入る前と後について、振り返ってもらいました。

中学の時、どのような理由でYISのIBコースを志望したのですか。

「知識一辺倒でなくて、ディスカッションを中心とした授業で、いろいろな見方や思考力が鍛えられて、面白そうだなと思いました。また、将来の選択肢として、海外大学も視野に入れていたのでIBコースを選びました。」

「日本語とTOKの体験授業を受けて、今までとは全く異なる授業の方法に驚き、IBコースに入りたいと思うようになりました。ただ知識を身に付けるだけでなく、将来役に立つ英語力やプレゼンテーション能力も身に付けたいという気持ちが大きかったです。」

「日本によくあるただひたすら暗記する授業体系が自分には合わないと感じていました。そこで、より探究的な学習ができる国際バカロレアコースがある横浜国際高校を選択しました。」

「生徒主体で授業を進めていくIBコースの授業に魅力を感じました。授業はディスカッションやプレゼンテーションをベースに進めることや、論文の執筆があること、そして英語で授業が行われるという説明を受け、他の学校とは全く異なるカリキュラムに惹かれ挑戦してみたいと思い志望しました。様々なバックグラウンドを持つ多様な生徒が入学するのも自分の世界を広げてくれるという期待感がありました。」

「ハイレベルの理系の勉強ができて、かつ英語力も高いのはここだけだ!と思い、志望しました。ディスカッションベースで楽しそうとは思っていましたが、理系と英語が強いのが一番のポイントでした。」

1年次球技大会

おそろいのクラスTシャツで臨んだ球技大会(1年次)

受験前や入学前に、IBコースで学んでいくことに何か不安がありましたか。

「塾の先生からIBは課題が多くて大変だと聞いていたので、特にスケジュール管理やメンタル管理について不安を抱いていました。」

「受験前は情報がなかなか見つからないことが一番不安でした。IB生が実際にどのような生活をしているのかイメージが湧きませんでした。また、英語の授業についていけるか、とても不安でした。また、具体的な授業内容が想像できなかったので何をどう勉強していけばいいか不安を感じていました。」

「プレゼンテーションやレポート、論文など、やったこともないことが多く、自分にどの程度の力があるかわからないので不安でした。」

「数学を英語で学ぶこと、歴史、生物、化学の教科書が英語で書かれていること、エッセイを書いたことがなかったのでEE(課題論文)やTOK(知の理論)を上手にできるのかが心配でした。」

「あまりIBのことについて知識がないまま入学したので、特に心配はしませんでした。入ってから、周りの英語力の高さとカリキュラムのハードさに、『あ、やばい!』と思いました(笑)」

ディズニーディ

自分たちで決めたクラスのディズニーデイ(2年次)

 

3年間のIBの学校生活を振り返って、どんな人がIBコースに向いていると思いますか。

「学ぶことが楽しいと思える人がIBに向いていると思います。テストを乗り切るためだけに直前に知識を詰め込んで高得点を取って喜ぶ人は向いていないと思います。テストは単なる過程であり、良い悪いどんな結果であろうと、自分が理解していることに重きを置くことが大切だと気づけている人はそれだけで強いと感じます。」

「大切なのは『ともに勉強することに楽しさを感じられる人』だと思います。クラスメイトと協力して自主的に勉強を進めていくのがIBの特徴だし、IBの一番の魅力だと思います。」

「自己管理能力が高い人、失敗から学んで前に進める人、バランスのある私生活が送れる人、ストレス発散ができる人がIBコースに向いていると思います。」

「頑張れる理由や目標がある人に向いていると思います。私の場合、頑張れた理由は、クラスのみんなとの楽しい学校生活があったこと、興味深い学習内容の授業があったこと、そしてディスカッションでした。」

「生徒が授業をつくるので、より良いものにしようと積極的に行動できる人がいるとクラスみんなの成長につながります。私のクラスでは生徒たちで話し合い、先生と授業方針について交渉して、よりよい授業にしようという動きが自然と起こりました。」

「仲間と協力できる人が向いていると思います。IBの勉強でも学校行事でも、クラス一丸となって何かを成し遂げることは、学校という場でできる価値ある経験だと思います。途中であきらめたり、質問や悩みを言うことに抵抗があったりする人はキツイかもしれません。私もクラスメイトにたくさん、たくさん助けてもらいました。自分の成果物を他者と協力しながら客観的に見たり、いろいろな意見を取り入れたりすることでよりよい作品になることがIBには多いので、他の人との協力はマストだと感じます。」

「多様性を尊重する人との出会いがあって自分の視野が広がる機会が多くあります。日本の一般的な高校では得られないリベラルな教育を求めている人は、是非!」

「精神的に安定して過ごすための自分なりの方法を知っている人が向いていると思います。スケジュールで追い込まれた時や、思うように成績が伸びない時なども、脱落することなく前を向いて進み続けることができる人が強いです。また、知識や考えを他者と共有したいと思う人、共有することに秀でている人が向いていると思う。そして、何事も楽しむことができる人。IBは様々なことに取り組む必要があるので、得意不得意に関わらず、どれに対しても楽しんで取り組める人は、得るものも大きく、結果にもつながりやすいと思います。」

卒業式の後に正門で

様々な課題を一緒に乗り越えてきたクラスメイトと(卒業式)

これからYISのIBコース受験を考えている中学生にメッセージをお願いします。

「高校生の時はつらいと思ったことがありましたが、卒業後は毎日のようにIBをもう一度やりたいと思っています。それくらい価値があるし、やりがいもあります。」

「IBコースはつらいことが多いのは確かですが、YISの先生方がきっとうまくサポートしてくれます。自分で頑張り続ける姿勢、そして普通の高校生としての自覚を忘れずに、思いっきり青春を謳歌してください!!」

「IBに入って辞めたいと思うことは100回経験しています。それでも横浜国際のIBで得られる経験や力は一生モノです。是非、選ばれし25人のうちの1人となって、最高の3年間を築き上げてください!」

「きっといま、IBに対して持っているイメージは正確ではない。思っている以上に大変で、思っている以上に知らない環境です。しかし、思っている以上の学びや出会いがあり、得られる経験も想定以上になると思います。IBで学べることを高校生のうちに得られるのは、教育システムの発展が滞っている日本では特に貴重で、必ず役立つと思います。珍しいことに挑戦する機会も多く、人としての成長も促さられます。IB以外の選択肢ももちろんあります。世界は広く、選択肢は豊富です。そのうちの一つにしか過ぎませんが、IBも素敵な選択肢です。」

「IBに入ったら、クラスメイトと色々な経験をして様々な課題を乗り越える、刺激的な3年間になります。受験勉強頑張ってくださいー!」

「IBコースは大変なことがとても多いですが、様々な面で自分を大きく成長させてくれます。特に海外大学に進学希望である生徒には大変おすすめです。」

「高校を卒業して進学すると、心の底からIBをやっていて良かったと思えると思う。日本で高校生活3年間を死にものぐるいで頑張れば、世界に通用する知識を身に付けて、どこにいても役に立つ様々なスキルを身につけられるはずです。しかし何もかもが簡単にはいかないし、壁にぶつかりまくると思うので、IBを受験するならそれなりの覚悟が必要です。」

「IB所属の、とある先生曰く、『IBはマラソン』だそうです。最終試験がゴールで、始まってから走り続ける。飛ばしすぎたりするとガス欠になることもあります。そういう時は周りに頼ったり、一度しっかり休んだりすることも大切です。周りは同じゴールを目指す仲間であり、共に高め合うライバルなので。かけがえのない仲間と経験が手に入ることは保証します。」

「卒業後、IBの資格を一切使っていない私の感想は『IBでよかったな。充実した高校生活だったな。』です。なんでIBコース入ったの?意味ないじゃん!と言われたことがありますが、資格を取得することよりも3年間IBのカリキュラムを受けられたという経験が何よりも価値のあるものだと思います。将来どんな進路に向かうとしてもきっと役に立つでしょう!」

「周りに同じコースを目指している人が少ないととても不安だと思いますが、IB生として過ごす時間は絶対に充実したものになると思うので、頑張ってください!」

 

 

横浜国際高校(YIS)の国際バカロレア(IB)コースを卒業した2期生のみなさん、今回はインタビューに答えてきただき、あらためてありがとうございました。経験した人でなければできない貴重な話ばかりでした。これからYISのIBコースをめざしている中学生だけでなく、現在在籍しているIB生(3期生、4期生、5期生)にとっても、大いなるエールになったと思います。

 

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