横浜国際高等学校 > 在校生・保護者の方へ > 校長だより(Vol.23)韓国姉妹校訪問を終えて
更新日:2025年3月17日
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横浜国際高校(YIS)と韓国姉妹校との交流は、2024年1月、韓国の東豆川(ドンドゥチョン)外国語学校の生徒20名と引率の先生2名が本校を訪問しました。そして今回は本校から生徒17名、引率の先生2名が2025年1月3日(金)~7日(火)、韓国の同校を訪問しました。本校が韓国姉妹校を訪問するのは、コロナ禍に入る直前の2020年1月以来で5年ぶりでした。韓国姉妹校を訪問した1年次生一人、2年次生二人に話を聞きました。
「最初はコミュニケーションにとても不安がありました。でも、実際にバディや現地の人たちと交流してみると、言語が完璧でなくても大丈夫だと実感しました。お互いに日本語と韓国語を学びあっているので、伝えたいという気持ちが生まれて、それが会話を成り立たせると思いました。また、現地で韓国の文化や人々の温かさに触れることができて貴重な経験になりました。」
「今回の韓国姉妹校訪問はコロナが始まる前に実施して以来のことでしたし、私は団長だったので責任を感じて緊張していたのですが、向こうの学校の生徒や先生が本当に温かく迎えてくれて、私たちも楽しくホームステイとか学校での行事ができて楽しかったです。」
「私は去年の交流で私の家に来てくれた生徒のお宅に行かせていただきました。旅行のときも一度会ったことがあったので今回会うのは3回目で特に緊張とかもせず、日本の友だちと同じような感覚で交流できました。ホストファミリーと話すときも主に韓国語だったのですが、私がこの2年間身に付けてきた韓国語を生かして自分の意志を伝えることができたかなと思っています。」
「現地ではバディやそのご家族が温かく迎え入れてくださり、積極的に声をかけてくれたおかげで、最初はとても緊張していたのですが、自然とリラックスできるようになりました。特に印象に残っているのが夕飯のときで、山盛りのチャプチェやお肉料理や種類豊富なキムチが並んでいて、今まで僕が見てきたドラマのような光景が目の前にあって、本当に韓国に来たんだなと実感しました。」
「私のホストファミリーの生徒の子が男の子で、女性の姉妹もいなくて、ちょっとどうなるかなと思っていたのですが、本当に優しくて、家族のお母さんとお父さんもホント優しく接してくれて、家でもずっと話しかけてくれたり、本当に韓国に来たなという感じで、ずっと韓国語に浸れて、学校でもバディに限らず話しかけてくれたり、日本のことを大好きなんだと感じることができました。」
「ホームステイ中はバディの子と一緒に出かけてカフェとか入って、お互いの学校生活について話したり、ホストファミリーとご飯を食べているときもすごく話しかけてくれたり、自分の韓国語の力を試す良いきっかけにもなりましたし、もっと勉強したいと思いました。」
「私は伝えることと理解する姿勢をもつことが何より大切だと思います。YISの生徒は将来のグローバルリーダーをめざして広い視野とコミュニケーション力などを養っていますが、実際に異国の地で海外の人と話すとなると想像以上に難しくて不安や緊張も感じました。それでも、あきらめずに自分から積極的に声をかけて、そして声をかけてくれたことにしっかり耳を傾けていると、言葉をこえて心が通じあう瞬間があって、それは行ったからこそ感じられるもので、勇気を出して一歩前に踏み出すことで新しい世界が見えたと思います。」
「やはりまずは現地の方とコミュニケーションをとることが一番大切ですし、文化の違いを理解することも大切だと思います。現地の高校の生徒たちは日本語を専攻しているので、日本の文化は知っていて、そこではあまり違いを感じなかったのですが、街中とかに遊びに行ったときなどは、相手の行動や考えについて、韓国の文化と日本の文化の違いが見えてきたことがありました。そこを理解することで、言葉の壁はもちろんですが、日本の人と韓国の人との心が通じあってお互いの絆が生まれると思います。違いを感じたのは、韓国では『早く!早く!』みたいな場面を感じたことです。例えば入口でチケットを見せるときもガイドさんが『早く!早く!』みたいなことを言っていて、日本だとそんなに『早く!早く!』主義ではないと思うので、あぁ早くしないといけないんだなと思いました。電車の中でも、降りる駅の一つ前の駅を電車が出発した瞬間にもう立ち上がって降りる準備をしていました。それから別の話ですけど、優先席には絶対に座らずに年上の人に敬意を払います。日本人も礼儀をしっかりしますが、韓国では家族の中であっても目上の人に敬語を使って、日本よりも礼儀を大切にするなと思いました。」
「私もいちばん大切なのは積極的にコミュニケーションをとることだと思います。5日間というとても短い期間で、あっという間に感じたので、その中で、より内容の濃い時間にするためには、自分の韓国語の力を最大限に発揮して、相手の考えを理解する姿勢を見せることが大事だと思いました。」
「姉妹校交流は自分の世界を広げる貴重なチャンスだと思います。最初は僕もうまく話せるか不安に思って、姉妹校に行くか行かないかすごく悩んだのですが、行った後でいま僕が伝えられることは、そこは心配しなくていいということです。お互いの言葉を学び合っているからこそ、完璧ではなくても気持ちは通じ合えて、大切なのは、文法とか言葉の正確さよりも積極的に相手に伝えようとする姿勢で、それがあれば全然心配はいらないと思います。そして今回の姉妹校交流で僕はただの旅行では得られない大切な友人に出会うことができました。バディとは今でも連絡を取り合っています。私は韓国語を続けるかどうか悩んでいたのですが、今回の経験を通じて、韓国語の勉強をさらに深めたいと思うようになりましたし、再び韓国に行って文化を知ったり友人に会ったりしたいと思っています。もし将来、姉妹校交流への参加に迷うようなことがあったら、出会いとか貴重な経験が待っているので、挑戦してみてほしいと思います。」
「そもそも海外に行けるというチャンスが国際科を持っている高校以外だったらあまりないことだと思いますし、姉妹校もそれこそコロナのような感染症がまた来たら本当に行けなくなっちゃったりするので、姉妹校交流に参加するチャンスがあったらぜひ行ってほしいと思います。姉妹校に行くと、国の壁をこえて、この先も関わり合える海外の友だちができますし、私もバディの子たちと将来一緒に旅行に行こうねとか話したりしています。友だちができると韓国語をもっと頑張ろうと思いますし、勉強もモチベが上がります。将来、語学の仕事に就きたいと思っている人がいたら、ぜひ姉妹校には行ってほしいです。」
「私は実際に韓国の友だちに何度か会って、日本人の友だちと同じような関係になることができたので、皆さんが参加したときには、たくさん話して相手の国について知らなかったことをたくさん見つけてほしいと思います。」
国と国、政府と政府の間では、緊張が走ったり良好でない関係があったりする時があります。しかし、国や政府の関係とは別のところで、両国に暮らす人々の間には、互いの信頼や尊敬に根ざした友人関係が存在すること、そうしたことの大切さを生徒たちは姉妹校交流を通じて感じてくれているように思いました。
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