相模向陽館高等学校 > 学校概要 > まゆ先生のザンビアうるるんにっき > まゆ先生のザンビアうるるんにっき14
更新日:2024年3月11日
ここから本文です。
川井真由先生は、神奈川県から推薦を受けて、令和5年4月からJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊の一員として、ザンビア共和国に派遣されています。
“Muli bwanji?”(ムリブワンジお元気ですか?(チェワ語))
最近6~7年生との朝の挨拶がGood morning.からOhayou!に変わった川井です。(園児は最近「Chotto Matte.」を勝手に覚え始めました。)
今回は番外編2回目…の国を紹介する前に、私が向陽館を離れてから、ザンビアに来るまでのことを簡単にお話します。
青年海外協力隊の隊員として派遣されるまでには、いくつかのステップがあります。その1つが、「派遣前訓練」です。この「訓練」は、言い換えると、勉強合宿のことです。ボランティアに選ばれた人たちは、集団生活をしながら、語学や異文化理解、感染症対策などについて学びます。
訓練の最後には試験があり、この試験に受かると、はれて派遣(いざアフリカへ!)となります。
安達太良山の中腹にある訓練所で、約120人の同期と60日間にわたる訓練を受けました。年齢も経歴も性格もバラバラの大人が、寝食を共にし、共に学び、お互い励まし合い、たくさん笑って、たくさん泣いて…わずか60日の訓練ですが、かげかえのない仲間になっていきました。
そんな同期と半年ぶりに再会するため、この国を訪れました。
では、今回の国を紹介します。この国は、ザンビアの東側にあります。面積は日本の3分の1、人口は、約2,041万人(日本の6分の1)です。イギリスの植民地であったこの国は、1964年に独立しました。首都はリロングウェで、公用語はチェワ語と英語です。主食はトウモロコシの粉を材料とするシマ(Nsima)で、おかずとともに手で食べます。(どこかの国と似ていますね。)
あまり良い表現ではないかもしれませんが、この国は世界の最貧国の一つです。2022年の一人あたりのGNIを比較すると、日本が42,440ドルに対して、この国はわずか640ドル、国民一人あたりの一年間の所得は日本の66分の1です。(データは、外務省HPより引用)
例えば、日本で1日1,320円で生活するとしたら、この国の人は1日20円で生活することになります。それほど、経済は日本と大きく異なるのです。
首都でさえ高いビルもなければ、舗装されている道も少なく、牛の大群に道を塞がれることも…。同期は首都から車で4時間ほどの町に住んでいますが、シャワーは水のみで、さらに断水や停電も頻繁に起こるので、数日水が出ないこともあるようです。
買い物をするには、家から20分以上歩いてやっと食べ物や飲み物が買えます。買えると言っても露店なので品揃えは良くなく、欲しいものが手に入るとは限りません。日本にいたら、(ザンビアにいてもですが、)想像できない世界が広がっていました。
一方で、この国はThe Warm Heart of Africa(アフリカの温かい心)と呼ばれる、優しく穏やかな国民性で知られています。同期が住んでいる地域の人も、とても朗らかで、少し恥ずかしがり屋な人が多い印象を受けました。
今回の旅では、ケープマクレアという町に滞在しました。この町は世界遺産・マラウイ湖(チェワ語で「Nyanja Malawi」)国立公園の中にある町です。国土の5分の1近くを占める湖・マラウイ湖は、アフリカ大陸で3番目に大きな湖です。固有種の魚が多く存在していることでも知られています。
子ども達は泳ぎ、女性は洗濯をし、砂浜ではビーチサッカーが行われ…湖とともに人々の暮らしがある、それがケープマクレアという町です。私はボートに乗って夕陽を見たり、色鮮やかな魚を見たり、砂浜でゴザを敷いて寝転んで波の音に耳を傾けてみたり、ただただのんびり過ごしました。
経済的な豊かさとは縁遠いかもしれませんが、温かい人々と、のどかで緩やかな時間がそこにはありました。
今回紹介した国は、「マラウイ」です。今回の旅では、地元の食材を使った食堂を支援する日本の方や、地元のために活動するマラウイの人と出会いました。
同期とともに撮った写真を載せておきます。
(2024年3月4日川井真由)