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更新日:2024年5月7日
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川井真由先生は、神奈川県から推薦を受けて、令和5年4月からJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊の一員として、ザンビア共和国に派遣されています。
“Dankie!”(ダンキ、ありがとう(アフリカーンス語))
1学期が終わり、春休みを動物と過ごしている川井です。(昨日はサイと子ゾウを見てきました。)
少し間があいてしまいましたが、今回は番外編3回目、アフリカの経済大国を紹介します。
この国は、17世紀半ばからオランダ、19世紀前半からはイギリスの植民地でした。
1910年に独立しますが、少数派の白人が多数派の黒人を支配する「アパルトヘイト(人種隔離政策)」が実施され、1990年代初頭まで黒人に対する隔離や差別が公然と行われていました。
1994年に初めて全人種参加による選挙が行われ、反アパルトヘイト運動の中心であった「ネルソン・マンデラ」が、黒人で初めての大統領となります。アパルトヘイト撤廃に尽くしたマンデラは、1993年にノーベル平和賞を受賞しています。
肌の色の異なる人々がともに暮らす「虹色の国」を目指したこの国の国旗は「レインボーフラッグ」と呼ばれています。
冒頭のアフリカーンスは、アパルトヘイトを象徴する、暗い歴史を持った言語でもありますが、公用語の1つとして紹介しました。(ちなみに、ほとんどの人は英語を話します。)
現在、この国はアフリカの経済大国として知られています。今回のうるるんでは、以前紹介したジンバブエ、マラウイ、そしてザンビアでは見られなかった、アフリカの経済大国の光景をお伝えします。
その1「大都会」。
今回訪れたのは、高層ビルが並ぶ大都会「ケープタウン」。
大手ハンバーガーチェーン店Mや大手コーヒーチェーン店Sなど、日本ではおなじみのお店が並んでいます。おしゃれなお店や、クルーズ用の船、観覧車が見られる地域・ウォーターフロントは、横浜のみなとみらいを彷彿とさせます。
世界各国から人が集まり、日本人も多く住むこの国には、日本食のお店も複数あります。お刺身や天ぷら、魚の煮付けなど、久しぶりのふるさとの味に舞い上がり、調子に乗って食べ過ぎたのも、今は良い思い出です。
その2「ペンギンの大群」。
テーブルマウンテン国立公園の一部であるボルダーズビーチには、絶滅危惧種のペンギンがたくさん暮らしています。よちよち歩く姿も、群れからはぐれて人混みに紛れている姿も、泳いでいるのか流されているのかわからない水辺に漂う姿も、とにかく愛くるしい。
保護のため、直接触れることはできませんが、見ているだけでとても心が癒されました。
その3「白人の数」。
アジアに黄色人種が多いように、アフリカでは当然ながら肌の黒い人が多数派です。ザンビアでもマラウイでも、私のようなアジア人、肌の白いヨーロッパや中東の人などは、どうしても「浮いているなぁ」と感じます。
一方、ケープタウン内の観光地では、黒人の割合が明らかに少なかったです。街や周りの人の雰囲気は、アフリカと言うより、さながらヨーロッパのようでした。
肌の色で浮かない分、居心地は良いのですが、「人口の8割以上が黒人の国なのに…」という違和感が、胸に残りました。
その4「海」。
白い砂浜に青い海、波の音、潮のにおい…それまで内陸国ばかりだったので、その一つひとつに感動しました。
また、他のアフリカの国と比べても、物資も気候もとても恵まれていると感じます。海を見ながら、ワイン片手に、取れたての新鮮な魚介類を食べる…つかの間の贅沢を味わいました。
今回紹介した国は、南アフリカ共和国です。この国を訪れた後、帰国したらすぐにみなとみらいを散策しようと心に決めたのでした。
(2024年4月30日川井真由)