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更新日:2023年10月10日
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川井真由先生は、神奈川県から推薦を受けて、令和5年4月からJICA(国際協力機構)の海外青年協力隊の一員として、ザンビア共和国に派遣されています。
“Mwatandala bwanji?” (ムワタンダーラブワンジおでかけはどうでしたか?)いつの間にかタイトルが決まり、いつの間にかタイトルが変わり…「ウルルン」より「世界の果てに、○○置いてきた」の方がしっくりくるような?なんて、くだらないことを考えている川井です。
秋休み、皆さんどのようにお過ごしでしたか。今回はザンビアの食事についてお話します。
日本にいた頃、私の主食は「朝はパン、夜はごはん」と、なんとなく決まっていました。お昼はその時の気分で、ラーメンだったり、パスタを食べたり、そばやうどんをすすったり、おにぎりやサンドイッチの日もあって…日本には本当に色々な食べ物があります。
私が今いるザンビアでも、お米やパン、パスタなどはスーパーで買えますし、ハンバーガーやフライドチキンなどのファストフード店もあります。(残念ながら、日本でも有名なアメリカの某大手ハンバーガーチェーンMはありません。)
しかし、お米もパンも手に入るザンビアで、ザンビアの人が愛してやまないのが、「シマ」。「シマ」は、トウモロコシの粉を材料とする「蒸しパンとお餅のあいだ」みたいな食品です。ザンビアの人にとっては、これが基本の主食となります。
作り方はとっても簡単。沸騰したお湯にトウモロコシの粉「ミルミル」を入れて、混ぜて練り続ける・・・はい、できあがり。このシマ自体には味がないので、必ずおかずと一緒に食べます。おかずには、レープ(高菜みたいな野菜)・トマト・玉ねぎを油と塩で炒めたもの、そして、煮込んだお肉や揚げた魚、ソヤピースと呼ばれる大豆ミートなどが付きます。
この「シマ」にはザンビアの人のこだわりが色々とつまっているので、そのこだわりも紹介します。
シマへのこだわり一つ目、それは「できたてを食べること」。
家で食べる時はもちろんですが、レストランで注文する時も、できたて熱々のシマが出てきます。私の勤める地域(コンパウンド)では、コンロが一つしかない家庭も多いので、シマができたてになるように、おかずから先に作ります。シマは冷めると固くなってしまうので、熱々でもちもちしたシマには、ザンビアの人の主食への強い誇りを感じます。できたてが本当においしい!
続いて、こだわり二つ目、「食べる時は手で食べる」。
ザンビアにもフォーク、ナイフ、スプーンなどがあります。でも、シマを食べる時は、手でちぎって、片手でぎゅっ、ぎゅっと握って、おかずのスープに浸して食べる、これがザンビア流です。私も最初は「手??」と驚きましたし、何より、「熱々のシマ」を手で握ることに抵抗もありました。それも今では「こうじゃないと、おいしくない!」なんて思うようになりました。日本でも手で握ったおにぎり、おいしく感じるんですよね。
そして、こだわり三つ目、「食事の前と後に手を洗う」。
食べる前はわかると思うのですが、食べた後も手を洗います。シマは手でぎゅっ、ぎゅっと握って食べるので、食べ終えた手は、おにぎりを握ったあとのような状態になってしまいます。食べ終えた手をきれいに洗って、「ごちそうさま」になるのです。
この手洗いの習慣が、新型コロナウイルス感染症予防対策にも役立ったという話もあります。健康で、ごはんをおいしく食べるためにも、手洗い大事ですね。
ザンビアの人のこだわりいっぱいのシマ、私のいるトゥルーバインコミュニティ・スクールでも給食として食べています。日本で食べるのはなかなか難しいかもしれませんが、もし機会があれば、できたてを手で握って食べてみてください。(手洗いも忘れずに。)
(2023年9月26日川井真由)
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