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更新日:2025年3月6日
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川井真由先生は、神奈川県から推薦を受けて、令和5年4月からJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊の一員として、ザンビア共和国に派遣されています。
“Nizingathi?”(ニジンガーティ/How much?、いくらですか。)
帰国前の提出書類に追われているはずが、部屋の掃除を始めてしまう川井です。(夏休みの宿題が夏の終わりに始まるの、なんでだろう。)
今回は、ザンビアのお金について紹介します。
2月12日、ザンビアの中央銀行「ザンビア銀行」が、3月31日から導入する新紙幣を発表というニュースが流れました。
日本も昨年より新紙幣が発行されたので、とても身近なニュースだなと思いつつ、導入の1ヶ月前に発表するところに、ザンビアらしさを感じています。(そして計画通りに進まないことが多いのも、ザンビアです。)
ザンビアの通貨は「クワチャ」と言い、ニャンジャ語などの現地語で「夜明け」を意味します。現在1クワチャはコイン(硬貨)、それ以上のお金はお札(紙幣)です。
また、クワチャより小さな単位に「ングウェ」があり、「100ングウェ=1クワチャ」です。
今回は、そんなザンビアのお金について、日本と違うところについて書いていきたいと思います。
日本との違いその1…紙幣の種類
日本では硬貨が6種類、紙幣が4種類ですが、ザンビアでは硬貨が4種類、紙幣が6種類と、紙幣が多めです。
紙幣は2クワチャからはじまり、10、20、50、100クワチャまであります。20クワチャなど2の付く紙幣は、日本ではあまり見ませんが、意外と便利です。
一方、ザンビアでは高額紙幣が100クワチャ(約550円)なので、たくさん買い物をした時は、大量の紙幣が必要になります。
新紙幣では、200クワチャ(約1100円)と500クワチャ(約2750円)が加わる予定です。
買い物の時に、便利になると良いのですが…。
日本との違いその2…「見たことのないコインが存在する!」
先ほど、ザンビアではコインが4種類と書きました。ザンビアの社会科の教科書にも写真が載っています。
しかし、実際に使われているのは1クワチャと50ングウェの2種類だけです。なぜでしょう?
コインはこの他に、5ングウェと10ングウェがあります。しかし、額面より製造コストの方が高いので市場には出回りません。
そのため、スーパーで買い物をして、合計が19.6クワチャだった時、現金で20クワチャ支払うと、お釣りの0.4クワチャ(40ングウェ(約2円))は返ってきません。(いつも少し損した気分になります。)
カードやモバイルマネーは、端数分の支払いができるので、そういう点でもキャッシュレスは便利だなと感じています。
(写真は、左から5ングウェと10ングウェ、50ングウェ、1クワチャコイン。)
日本との違いその3…「ボロボロの紙幣」
ザンビアに限った話ではありませんが、使い古され、汚れや傷みでボロボロの紙幣をよく見かけます。
特に2クワチャや5クワチャなどの小額紙幣では、セロハンテープで修復され、なんとか形を保っているものも…。(写真上は、まだきれいな状態の紙幣。見づらいですが、写真下の紙幣は、3分の1がセロハンテープで固定されています。)
お店によっては、ボロボロの紙幣は受け取りを拒否されます。
新紙幣の導入で一新されるでしょうか。
日本との違いその3…「おつりがない」
スーパー、飲食店、タクシーなど、町のいたるところでよく言われます。
待てばおつりを準備してくれるところもありますが、諦めることも多いです。(稀に、モバイルマネーでお釣りを返してくれることもあります。)
お金があるのが当たり前ではない、これが途上国の現実です。
先日、運賃10クワチャのミニバスで100クワチャ紙幣を出したところ、乗り合わせた乗客の多くが同じような状態で、乗務員が「もう100クワチャは受け取らない!」と言いました。
すると、お客の一人が「新紙幣ができたら、そんなこと言ってられないよ!」と言い返しました。
高額紙幣はザンビアの人の生活を良くしてくれるのか、それとも混乱を招いてしまうのか…新紙幣を見る前に帰国するのが残念でなりません。
(2025年2月26日川井真由)