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更新日:2023年10月16日
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川井真由先生は、神奈川県から推薦を受けて、令和5年4月からJICA(国際協力機構)の海外青年協力隊の一員として、ザンビア共和国に派遣されています。
“Mwadya bwanji?”(ムワジャブワンジ)4回目の投稿になりました。月2回の執筆を目指している川井です。(「にっき」にはほど遠い。)
今回は、私の職場トゥルーバインコミュニティ・スクールがあるジョージ・コンパウンドについて説明します。
以前、「うるるんにっき2」で協力隊について説明しました。
私が協力隊を知ったのは、小学校4年生の時、「協力隊=途上国の村で生活し、井戸を掘ったりして、困っている人の生活を助ける!」というイメージでした。もちろん現在でも、トイレは穴(いわゆる「ぼっとん」)、シャワーは水しか出ない、夜はロウソクに火を付けて…そんな場所で活動している隊員もいます。
しかし、私がいるのは首都。
電気も水道も当たり前のように使えます。ショッピングモールで買い物ができ、映画も見られます。スマホもネットも問題なく使えます。道路では毎日交通渋滞が起こります。
では、そんな首都で何をしているのでしょうか?次の2枚のGoogleマップを見てください。
左のデフォルトだとわからないのですが、右の航空写真で見ると、灰色の部分が広がっています。(見えにくい時は、「ザンビアルサカ」をGoogleマップで検索してみましょう。)この灰色の部分が、「コンパウンド」です。
「首都ルサカには現在35以上のコンパウンドが存在し、都市人口のおおよそ70%がこの居住区で生活している。コンパウンドは英語で「囲まれた場所」を意味する。…(中略)…イギリス人入植者たちが自分たちの住む住宅と区別して、アフリカ人鉱山労働者用の住宅を「コンパウンド」と呼んだことから、南アフリカやナミビア、ザンビアなどの南部アフリカでこの言葉が使われるようになった。」(島田周平、大山修一編著『ザンビアを知るための55章』より引用)
コンパウンドとは、わかりやすく言うと「都市スラム」です。
貧しい人たちが集まり、所せましと暮らしています。世界銀行のデータによると、ザンビアでは、人口の約60%の人が1日2.15ドル以下で暮らしているとあります。(https://data.worldbank.org/country/zambia?view=chart(外部サイトへリンク)より引用。データ当時だと、日本円で1日240円ぐらい。)
首都なのに、電気も、水道も、清潔なトイレもない掘っ立て小屋で暮らしている人がたくさんいます。
また、コンパウンドは、場所による差はありますが、全体的に治安が良くありません。コンパウンドにはジャンキーと呼ばれるギャングが多くいます。
ザンビアに来たばかりの頃、元警察の方と車で町を回る機会がありました。「この辺りは本当に危険なので、車の中からでも写真はとらないで」と言われたのが、「世界の果てに~」で取り上げられていたような都市中心部のコンパウンドです。それ以来、私はその場所には行っていませんが、今も危険と隣り合わせで暮らしている人たちがいます。
私の職場があるジョージ・コンパウンドは、都市の中心部から車で20分ほどの郊外にあります。コンパウンドなので、貧しさ、治安の悪さ、衛生環境の悪さなどはありますが、人々がお互い助け合いながら暮らしています。私のような肌の色の違う外国人も、優しく受け容れてくれます。
そんなコンパウンドで暮らす子どもたちのために、協力隊員として働いています。
今回、この「うるるん日記」を書きながら、I先生の持っている「第9地区」を思い出し、途中までしか見ていなかったことも思い出しました。続きが気になる…。
(2023年10月12日川井真由)